「大東亜戦争の実相」という文庫本が出ている。テレビドラマにもなった、元伊藤忠会長瀬島龍三氏が、ハーバード大学院の求めに応して、講演をおこなったものを、PHP文庫から出版したものである。
まだ、全部は読んでいないが、何故、日本があの戦争に突入していったのか、明治維新がら話が始まる。この本は、大変重要な意味をもっている。
何も知らずに、きたけれども、この本を読むと、確かに、当事者としてしか解らないこと、問題の捉えかたなど、どこをどのように批判して、単純に日本の「侵略戦争」であったといえるか、と思ったりする。
歴史というものは、それぞれ言い分があって、一筋縄ではいかないのはわかるけれども、このように、総合的に書かれたものをみれば、「取り戻そう日本」という言葉の背景、「歴史認識は歴史家にまかせる」という安倍総理の発言の背景をみる思いがする。
共産党の志位さんは、テレビの討論会で、歴史認識について、侵略戦争であったと認めよ、とせまっていたが、なかなかそうは言わない、安倍総理に少し不思議な感じを持っていたが、この本を読んで、いささか認識をかえたところがある。
だからといって、戦争のできる国にしていいとは思わないが、国というのは、簡単ではないものだということはわかる。