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空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

体調を崩してみえたこと

2011年10月13日 10時59分22秒 | 思考試行

あたりまえに出来ていたことが、できなくなる。普通のことが普通ではなくなる。毎度のことながら、健康の大事さ、有難さを思う。

睡眠がとれないとなると、知らず知らずに根本から変調をきたす。もどすと、自分の意志とは関係ない、体自身の拒否反応の意志の強さを思い知らされる。自分の中の他者。水のような便。何度も来る便意。

頭はふらつくし、なにもできない。

それでいて、やらなければならない仕事もある。あせり。セーフモードでいくしかない。

突然の発症であった。ウイルス性急性胃炎と、医師が診断した。

病気となれば、諦めることが出てくる。そうせざるを得ない。捨てることに慣れる。そこにも意味がある。すべては、いつまでも、持ち続けることはできない。ある種のサトリ。

そして、回復の兆しのうれしさ。寝て起きると、何かが改善されている。希望がわいてくる。あたりまえのことの有難さが実感できる。病気もまた無駄ではないのである。

 

 


生きがいについて

2011年10月13日 00時44分00秒 | 思考試行

以前にも書いたことがあるが、安部公房の「砂の女」という作品がある。文庫本にもなっているし、映画にもなった。

この作品は、昆虫採集に来た外部の人間が、アナに囚われ、村全体が砂に沈み込むのを防ぐため、アナから砂を運びだすだけの「仕事」をやらされることとなってしまう。なんども脱出を試みるがうまくいかない。

抵抗、落胆、アナの中の、不思議な女性との生活、外部との交渉、・・・

村人にとっては、捕らえた人間には、どうしても働かせなければならないし、そのための必要なものを外から差し入れる。そのなかで、水はとりわけ重要だ。働かなければ、水は与えられない。嫌でも働くしかない羽目に追い込まれるのである。

ところが、その穴のなかで、外からどうしても与えられないと生きてはいけない「水」を、男は、独力で、入手する装置を開発した。強烈な喜び、力を得る。

そのことがあってから、女性の妊娠騒ぎのなかで、逃げられる状況が、突然実現したにもかかわらず、男は、この理不尽な世界から逃げ出すことをせず、そこで生活することを決意する、といったストーリーであった。

この小説は、示唆に富む。人間の生きがいというのは、いろいろに持つことが可能だと思うが、この場合、外の人間が、アナの人間の本質的な弱点を完全に掴んでいると思い込んでいる、ところが、力を得たことで、事実は違う。そこに、生きがいが生じている。

「水」を独力で確保する状況を、掴みたいものであるが、「捨てることが得ることでもある」場合もあり、なかなか難しいものである。