ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アンナと過ごした4日間』

2009-09-27 21:59:09 | 新作映画
(原題:4 noce z Anna)


----これって、あの『早春』を監督した
イェジー・スコリモフスキー監督の最新作だよね。
17年ぶりとかでとても話題になっているようだけど…。
「うん。あの映画は15歳の少年の報われぬ純愛を描き、
ラストのプールのシーンとともに大きな話題になった。
でも、正直に告白すると、
ぼくはこの伝説の名作を見逃しているんだ」

----じゃあ、あまりこの映画も語れないね。
「うん。
でも、その伝説から類推するに、
これは内容というよりも
主人公の<想い>を描いたという意味では似ているかも。
というのもこの作品も『早春』と同じく、
ある女性へのオブセッションに取りつかれた男のお話。
ポーランドの地方都市に暮らす独身の中年男レオン。
自宅の窓から双眼鏡で愛する女アンナを覗き見ていた彼は、
勤めていた病院をリストラされた後、
大胆な行動に出る。
彼女の部屋に忍び込んだレオンはアンナのボタンのほつれを直す。
翌日の晩は彼女の部屋の床を磨き、
3日目のアンナの誕生日には正装して花束を届け、
4日目には壊れた鳩時計を修理…。
しかし、直した時計を戻しに行ったことから…」

----へぇ~っ。究極のストーカーだね。
でも、どうやって忍び込むの?
「教えちゃっていいのかな。
それはね。猫ドアから手を伸ばし窓のかぎを開けちゃうんだ」

----あらあら…。
でも、そんな映画のどこがオモシロいの?
「だから、それは<想い>が描きこまれているから。
彼が、アンナを知るきっかけとなったのは、
数年前のある日、川に流れてきた牛の死体を観た直後のこと。
工場で聞こえる異様な悲鳴。
そこでは男に乱暴されているアンナが…。
そして、なんとレオンがその犯人として逮捕されてしまうんだ」

----牛の死体?いやだニャあ。
で、釈放されてから
彼女を覗き見るようになったわけだね?
「うん。この心理は言葉にしづらい。
さっきも話したオブセッション。
妄想に近い強迫観念に取りつかれたんじゃないかな。
それが、このポーランドのくすんだ映像の世界の中に不思議と収まる。
昔、『ピロスマニ』を観たとき以来、
静謐な絵画的世界に引きずり込まれそうな
不思議な時間を持つことができたね」


※この映画についてフォーンと話しているときに飛び込んできたニュース。
スコリモフスキーと同じくポーランド出身の監督ロマン・ポランスキー監督が拘束。
なんと、あの32年前の13歳の少女暴行の容疑が理由だとか。
彼は、そのためアカデミー賞授賞式にも出席せず、アメリカの地を踏まなかったはず。
どうやらスイスでとのことらしいのですが、なぜこの地で?


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「眠っている部屋に忍び込む。悪い奴ニャ」ご不満


スリルも味わえる映画だ度

コトリ・ロゴお花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はフランス版ポスター。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。