(原題:A Serious Man)
あれっ?これもコーエン兄弟の映画ニャの?
確か、『トゥルー・グリット』が
アカデミー賞に多数ノミネートされて話題になっているよね。
いつ作ったんだろう?
「そう思っちゃうよね。
実はこの映画、
昨年のアカデミー賞作品賞にノミネートされているんだ。
しかし、観てみてほんとかな…って感じ」
----あらら、問題発言だ。
「いや、決して悪くはないんだよ。
それどころか、ぼくは実にオモシロかった。
このコーエン兄弟って、
こういうブラックなお話を描いたら天下一品。
ただ、この映画がどういうジャンルに分類されるのか?
コメディというには、あまりにも寒々しいし。
主人公の悲惨な状況は、思い出すだけでもかわいそう」
----それって、シリアス・ドラマってことじゃニャいの?
「シリアス・ドラマといえばシリアス・ドラマなんだろうけど、
あまりにもミニマム。
あっ、でももしかしたら
『アメリカン・ビューティー』的な受け方をしたのかな。
いずれにしろ、ユダヤ社会というコミュニティが背景となっているため、
深い部分で理解するのは、ぼくには無理だったけどね。
でも、それでも楽しめたんだから、
やはりコーエン兄弟は<映画を楽しませる術>を知っているんだろうな」
----う~ん。よくわからニャい。
どんなお話ニャの?
「時は1967年。
ユダヤ人の大学教授ラリーは、
ひ英凡な人生を歩んできたマイホーム・パパ。
ところが、そんな彼に暗雲がのしかかる。
落第点をつけたアジア系の学生から賄賂を贈られ、
断ると父親が乗り込んできて名誉棄損で訴訟騒ぎになりそうになる。
さらにはラリーを誹謗する匿名の投書が大学に舞い込み、
会員制のレコード会社から記憶にない請求の電話が入る。
家では、隣人トラブルで境界線に悩まされ、
息子ダニーはマリファナ代の未払い問題を抱え、
娘サラは密かに鼻の整形をもくろんでいる。
と、まあ、これくらいならまだしも、
兄のアーサーは無職で無気力で彼の家に居候。
そして、決定的なのが、
妻が自分を捨て、
厚かましくて気取り屋の、
ラリーの友人サイと暮らすから
出ていけ…と彼に宣告を下したこと」
----ニャに、その流れ?
ラリーは不倫か何かしたの?
「いや。なんにも悪いことしていない。
ところが妻もサイも『ラリーが出て行ってモーテル暮らしするのが一番』と言い、
疑問を挟むと『なんで?』と、さもそれが当たり前のような顔をされてしまうんだ。
あっ、ここまで話して思ったけど、
これはどちらかというと、
安部公房『闖入者』のような不条理な世界。
というのも、この後、
ラリーには、そしておそらく観ている方にとっても、
思いもよらない人生のハプニング、アクシデントが
次々と襲いかかってくるんだ。
こうしたことの積み重ねで、ラリーは
悪夢にうなされ始め、現実との境目さえも怪しくなってくるんだ。
この、“ちょっとの悪いこと”が雪だるま式に転がり膨れ上がっていく感覚。
『うん。ありそうだよな』と思わせるのがコーエン兄弟の巧さだろうね。
で、ひとつ言っておかなくてはということがあって…。
実は、この映画にはオチのない
ふたつの小話が挿入されていて、
それがあまり本篇とは関係がないんだ。
でも、それが妙にオモシロい。
冒頭のエピソードなんて、
まるでテレビ『ヒッチコック劇場』の趣。
そうそう、あとラストのワンショットもいい。
これは長く瞼に焼き付くなあ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「あのメインビジュアルからは想像がつかないのニャ」
※『監督主義プロジェクト』の中ではいちばん好きだ度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はオフィシャル(Articles)より。
あれっ?これもコーエン兄弟の映画ニャの?
確か、『トゥルー・グリット』が
アカデミー賞に多数ノミネートされて話題になっているよね。
いつ作ったんだろう?
「そう思っちゃうよね。
実はこの映画、
昨年のアカデミー賞作品賞にノミネートされているんだ。
しかし、観てみてほんとかな…って感じ」
----あらら、問題発言だ。
「いや、決して悪くはないんだよ。
それどころか、ぼくは実にオモシロかった。
このコーエン兄弟って、
こういうブラックなお話を描いたら天下一品。
ただ、この映画がどういうジャンルに分類されるのか?
コメディというには、あまりにも寒々しいし。
主人公の悲惨な状況は、思い出すだけでもかわいそう」
----それって、シリアス・ドラマってことじゃニャいの?
「シリアス・ドラマといえばシリアス・ドラマなんだろうけど、
あまりにもミニマム。
あっ、でももしかしたら
『アメリカン・ビューティー』的な受け方をしたのかな。
いずれにしろ、ユダヤ社会というコミュニティが背景となっているため、
深い部分で理解するのは、ぼくには無理だったけどね。
でも、それでも楽しめたんだから、
やはりコーエン兄弟は<映画を楽しませる術>を知っているんだろうな」
----う~ん。よくわからニャい。
どんなお話ニャの?
「時は1967年。
ユダヤ人の大学教授ラリーは、
ひ英凡な人生を歩んできたマイホーム・パパ。
ところが、そんな彼に暗雲がのしかかる。
落第点をつけたアジア系の学生から賄賂を贈られ、
断ると父親が乗り込んできて名誉棄損で訴訟騒ぎになりそうになる。
さらにはラリーを誹謗する匿名の投書が大学に舞い込み、
会員制のレコード会社から記憶にない請求の電話が入る。
家では、隣人トラブルで境界線に悩まされ、
息子ダニーはマリファナ代の未払い問題を抱え、
娘サラは密かに鼻の整形をもくろんでいる。
と、まあ、これくらいならまだしも、
兄のアーサーは無職で無気力で彼の家に居候。
そして、決定的なのが、
妻が自分を捨て、
厚かましくて気取り屋の、
ラリーの友人サイと暮らすから
出ていけ…と彼に宣告を下したこと」
----ニャに、その流れ?
ラリーは不倫か何かしたの?
「いや。なんにも悪いことしていない。
ところが妻もサイも『ラリーが出て行ってモーテル暮らしするのが一番』と言い、
疑問を挟むと『なんで?』と、さもそれが当たり前のような顔をされてしまうんだ。
あっ、ここまで話して思ったけど、
これはどちらかというと、
安部公房『闖入者』のような不条理な世界。
というのも、この後、
ラリーには、そしておそらく観ている方にとっても、
思いもよらない人生のハプニング、アクシデントが
次々と襲いかかってくるんだ。
こうしたことの積み重ねで、ラリーは
悪夢にうなされ始め、現実との境目さえも怪しくなってくるんだ。
この、“ちょっとの悪いこと”が雪だるま式に転がり膨れ上がっていく感覚。
『うん。ありそうだよな』と思わせるのがコーエン兄弟の巧さだろうね。
で、ひとつ言っておかなくてはということがあって…。
実は、この映画にはオチのない
ふたつの小話が挿入されていて、
それがあまり本篇とは関係がないんだ。
でも、それが妙にオモシロい。
冒頭のエピソードなんて、
まるでテレビ『ヒッチコック劇場』の趣。
そうそう、あとラストのワンショットもいい。
これは長く瞼に焼き付くなあ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「あのメインビジュアルからは想像がつかないのニャ」
※『監督主義プロジェクト』の中ではいちばん好きだ度
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※画像はオフィシャル(Articles)より。
私も先週これ、DVDで見ましたー。
(こっちではもうだいぶ前に公開
だったような…)
いやいや、あまりにも不幸続き、
特にサイと妻のあの態度にはもう…、
気の毒な主人公でした。
もっと頑張れ!ってカンジでも
あったんですけどね。
あのお話ふたつは
すっごく興味深かったですね。
こっちが気になってしょうがない、
というか(笑)
TB失礼しますね。
あ、ついでにtwitterのほうも
フォローさせていただきました!!
よろしくです。
ツイッターのフォローありがとうございます。
さっそくフォローさせていただきました。
この映画、あまり期待していなかったのですが、
スゴく楽しめました。
こういうブラックさこそ、
コーエン兄弟の真髄ですね。
ただコーエンの笑いって本当に好きな人だけが楽しめるものですからね。世間の評価がいまいち高くないのもどこか納得です。
こちらは『トゥルー・グリット』に比べて、
いかにもコーエンらしい映画でしたね。
ぼくは期待していない分、楽しめました。