(原題:Elegy)
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
-----おっ、やっと賞がらみの映画のお話だね。
これ、主演のペネロペ・クルスが話題になっているんでしょ。
「そう。彼女はすでに
ロサンゼルス映画批評家協会賞助演女優賞を受賞。
この賞は、ぼくのイメージでは他のアメリカの映画賞よりも
少し格が上って感じ。
アカデミックというか、アート性が強いというか…」
----監督はだれだっけ?
「『あなたになら言える秘密のこと』や
『死ぬまでにしたい10のこと』のイサベル・コイシェ。
これまでの2作が“死”や“戦争の傷痕”をモチーフにしていたのに対して、
こちらはどちらかというと
生き方や価値観が異なる違う世代の出会い、
そしてその愛の行方を見つめたものとなっている。
原作が『さよならコロンバス』のフィリップ・ロス、
そして脚本がぼくの大好きな『タイム・アフター・タイム』を監督したニコラス・メイヤー。
ふと気づいたんだけど、
彼らはすでに『白いカラス』で組んでいたんだね。
あの映画もそうだったけど、
語り口がしっかりしているため、
映画の中にどっぷりと浸かることができるんだ」
----ふうん。そうニャんだ。
ところでどんなお話ニャの?
「 スペイン系キューバ移民の若い黒髪の美女、
コンスエラ・カスティーリョ(ペネロペ・ クルス)は、
カリスマ的な大学教授であり、
女性に肉欲のみを求めていたデヴィッド・ケペシュ(ベン・キングズレー)と出会う。
30歳以上の年の差がある2人。
デビッドは"芸術品"のような完璧な肉体を持つ彼女の虜になる。
それまで、若い頃のただ一度の結婚を
人生最大の失敗と公言していた彼は、
本人が少年時代の頃さえも味わったことのない
猜疑と嫉妬に捕えられてしまう」
----猜疑と嫉妬?
「そう。
なにせ、彼女の行くところをこそっとスパイしたりしちゃうんだから、
こっちも観ていて恥ずかしくなる。
まあ、気持ちは分かるけどね…」
----そうかなあ?
「それはそうだろうと思うよ。
やはり30以上も年が離れているから、
彼女の両親の前に姿を出しにくい。
親だって、自分と同じくらいの年の男を
娘が恋人と称して連れてきたら腰抜かしちゃうもの。
しかも、デヴィッドの場合、
自分のこれまでの生き方が生き方だけに、
結婚という形を簡単に自分で認めちゃうわけにはいかないんだ」
----ニャるほど。お話だけでも興味深いや。
あれっ、そういえばデニス・ホッパーが出ているよね。
「うん。彼が珍しくインテリの役。
デヴィッドの友人の詩人ジョージを演じているんだ。
その彼がデヴィッドに忠告する。
『年をとる心配をするな。
分別臭くなる心配をしろ』。
『イージー・ライダー』の彼のイメージと合わせてみると、
このセリフは含蓄があるよ。
そんなジョージが後に、
病床に倒れて、ある人にキス。
それこそ分別も何もないこのシーンは、
ある意味、この映画のハイライトかも」
----そ、それは観たいような観たくないような(笑)。
「この映画は他にも含蓄のある言葉がいっぱい。
『君との未来が知りたい』
『女性との交わりは人生のあらゆる屈辱への報復だ』
『乳房を失っても私とヤリたい?』」
----ちょ、ちょっと待ってよ。
最初の二つは分かるけど、
最後のはニャによ。
「あっ、これはネタバレになるのかな。
しかし、チラシに『病に冒されていく女』とあるしなあ。
実はコンスエラは姿を消している間に、
乳がんに冒されてしまうんだ。
再び彼の前に現れたときは
長い黒髪を切ってショートカットに。
しかもかなりやつれている。
それまで全裸で美しい姿を披露していた
ペネロペ・クルスだけにちょっとショック。
そんな彼を慰めるときのデヴィッドの言葉も
また、スゴいんだけどね」
----ニャに、それ?
「う~ん。
これ以上のネタバレを避けるために
ここはちょっとだけ。
それはアマゾネスに関係すること」
----え~っ。ニャんだろう?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「本気で好きになると、男はモロいのニャ」
※そう、恋のビギナーになってしまう度
お花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…
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※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
-----おっ、やっと賞がらみの映画のお話だね。
これ、主演のペネロペ・クルスが話題になっているんでしょ。
「そう。彼女はすでに
ロサンゼルス映画批評家協会賞助演女優賞を受賞。
この賞は、ぼくのイメージでは他のアメリカの映画賞よりも
少し格が上って感じ。
アカデミックというか、アート性が強いというか…」
----監督はだれだっけ?
「『あなたになら言える秘密のこと』や
『死ぬまでにしたい10のこと』のイサベル・コイシェ。
これまでの2作が“死”や“戦争の傷痕”をモチーフにしていたのに対して、
こちらはどちらかというと
生き方や価値観が異なる違う世代の出会い、
そしてその愛の行方を見つめたものとなっている。
原作が『さよならコロンバス』のフィリップ・ロス、
そして脚本がぼくの大好きな『タイム・アフター・タイム』を監督したニコラス・メイヤー。
ふと気づいたんだけど、
彼らはすでに『白いカラス』で組んでいたんだね。
あの映画もそうだったけど、
語り口がしっかりしているため、
映画の中にどっぷりと浸かることができるんだ」
----ふうん。そうニャんだ。
ところでどんなお話ニャの?
「 スペイン系キューバ移民の若い黒髪の美女、
コンスエラ・カスティーリョ(ペネロペ・ クルス)は、
カリスマ的な大学教授であり、
女性に肉欲のみを求めていたデヴィッド・ケペシュ(ベン・キングズレー)と出会う。
30歳以上の年の差がある2人。
デビッドは"芸術品"のような完璧な肉体を持つ彼女の虜になる。
それまで、若い頃のただ一度の結婚を
人生最大の失敗と公言していた彼は、
本人が少年時代の頃さえも味わったことのない
猜疑と嫉妬に捕えられてしまう」
----猜疑と嫉妬?
「そう。
なにせ、彼女の行くところをこそっとスパイしたりしちゃうんだから、
こっちも観ていて恥ずかしくなる。
まあ、気持ちは分かるけどね…」
----そうかなあ?
「それはそうだろうと思うよ。
やはり30以上も年が離れているから、
彼女の両親の前に姿を出しにくい。
親だって、自分と同じくらいの年の男を
娘が恋人と称して連れてきたら腰抜かしちゃうもの。
しかも、デヴィッドの場合、
自分のこれまでの生き方が生き方だけに、
結婚という形を簡単に自分で認めちゃうわけにはいかないんだ」
----ニャるほど。お話だけでも興味深いや。
あれっ、そういえばデニス・ホッパーが出ているよね。
「うん。彼が珍しくインテリの役。
デヴィッドの友人の詩人ジョージを演じているんだ。
その彼がデヴィッドに忠告する。
『年をとる心配をするな。
分別臭くなる心配をしろ』。
『イージー・ライダー』の彼のイメージと合わせてみると、
このセリフは含蓄があるよ。
そんなジョージが後に、
病床に倒れて、ある人にキス。
それこそ分別も何もないこのシーンは、
ある意味、この映画のハイライトかも」
----そ、それは観たいような観たくないような(笑)。
「この映画は他にも含蓄のある言葉がいっぱい。
『君との未来が知りたい』
『女性との交わりは人生のあらゆる屈辱への報復だ』
『乳房を失っても私とヤリたい?』」
----ちょ、ちょっと待ってよ。
最初の二つは分かるけど、
最後のはニャによ。
「あっ、これはネタバレになるのかな。
しかし、チラシに『病に冒されていく女』とあるしなあ。
実はコンスエラは姿を消している間に、
乳がんに冒されてしまうんだ。
再び彼の前に現れたときは
長い黒髪を切ってショートカットに。
しかもかなりやつれている。
それまで全裸で美しい姿を披露していた
ペネロペ・クルスだけにちょっとショック。
そんな彼を慰めるときのデヴィッドの言葉も
また、スゴいんだけどね」
----ニャに、それ?
「う~ん。
これ以上のネタバレを避けるために
ここはちょっとだけ。
それはアマゾネスに関係すること」
----え~っ。ニャんだろう?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「本気で好きになると、男はモロいのニャ」
※そう、恋のビギナーになってしまう度
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冒頭で語られた作品に対する個々の捉え方や、状況が変われば同じ作品でも感想が違う…とか、ラストで語られた芸術品と所有者の話とか、細かい所で「うんうん」というエピソードが散りばめられており、面白かったですわん。
ある意味人と深く関わるのを怖がっていたデヴィッドの成長物語ですね♪
まあ、大学教授というエグゼクティブな地位にあるから
こんなことが可能なのかなと、
少しひがんでみたりもしました。(汗)
でもデヴィッドの成長物語ととれば、
そんなひがみも消えそうです(笑)。
ペネロペありきですね、
音楽も良かったし。
ただひとつ、最後は病で、、、っていうお決まりなのがいやでしたけど、、、。
デニスホッパーとの関係良かったです
先ほどmigさんのレビュー拝見させていただきました。
女性でこの映画を好きと言われると
とても嬉しくなってしまいます。
デニス・ホッパー、
ちょっとショックでしたね。
あのシーンは…。
何がそんなに・・・と思うほどに淡々としているのに何ででしょうね?
それにしてもペネロピが美しかった!
先日やっとNHK-BSでアカデミー賞を見て、そちらも感動でした(^^)
どちらかというと通俗的な形に陥りそうなテーマですが、
見事に大人の映画に仕上げていましたね。
男としてはペネロペ・クルスの
見事なボディにもくらくらでした。
デヴィッドがスパイするあたり,実はちょっと寝てしまった私ですが
(退屈というのではなくて疲れてた)
中盤のコンスエラが病気になって再会してからは
画面にくぎ付けでした。
こういう関係でこういう結末へ進むって
実際はなかなかないとは思うのですが
人間の業の深さとか,出会いの不思議さとか
いろいろ考えさせられるいい作品ですね。
スパイと言えば、槇原敬之の歌に同じタイトルが…。
自分が同じ男性だからか、
あのシーンは、
分かる分かるというか、
どこの国でも男は同じと思って観ていました。(笑)
病気になってからは、トーンが変わってしまった感じ。
こんなことを言っては身も蓋もないのかもしれないのですが、
やはり健康第一と思ったりもしました(汗)。