-※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----この映画、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされてるね。
「うん。実にそれにふさわしい作品だったよ。
映画は1914年、
第一次大戦下で実際に起こった出来事を基にしている。
フランス・スコットランド連合軍と、
ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。
戦況は熾烈を極め、死体の数だけが増えていく。
やがて訪れたクリスマスの夜、
ドイツ軍には10万本ものクリスマス・ツリーが届けられ、
スコットランド軍の塹壕群からはバグパイプの音色が聞こえてくる。
そして奇跡は起こった-----(チラシより抄訳)」
----つまり、それがキャッチコピーの
「その聖なる日、銃声が止んだ」。
クリスマス停戦になるわけだね。
「うん。ドイツ軍のオペラ歌手の兵士が
クリスマス・ツリーを手に塹壕から歩み出て、
美しいテノールを響かせるんだ。
バグパイプの伴奏にのせてこだまする
ドイツ軍とスコットランド軍の「聖しこの夜」の合唱。
やがてそれぞれの兵士たちがおずおずと塹壕から現れ、
ついには3ヵ国の中尉たちが集まって、
クリスマス一夜限りの休戦に合意する。
片言の外国語での挨拶、家族の写真の見せあい、
チョコやウィスキーの交換、サッカーの試合…。
そして宗派を超えたミサが行われる。
このシーンは、雪深い背景もあって
幻想的な美しさがあったよ」
----でもそこまで仲よくなっちゃうと、
戦争を再開するのが難しくなりそうだね。
「そこなんだ。
実は、奇跡はさらに続いていく。
ユーモアまじりに語られるそのシーンは、
観る人のお楽しみにして
ここで語るのは止めるけど、
ちょっと驚くような出来事が起こるよ」
----えっ、話してよ。
※じゃあ、ネタバレ注意と言うことで…。
「それは後方からの相手への攻撃を情報として教えあい、
一緒に塹壕を行ったり来たりして被弾を回避すること 。
実はここに<戦争>の持つ本質的<無為性>が語られている。
だれもいない無人の塹壕に炸裂する砲弾。
何やってんだろうって感じだね。
前線にいる個人と個人は仲がいいのに、
後ろにいる権力機構は憎しみあっている」
----ニャるほどね。
「そうそう、キリスト教も
戦争に加担していることが描かれているのも興味深い。
聖書の一節を都合よく引用しながら、
平和よりも「戦い」を勧める司祭。
彼は言う『女子供関係なくドイツ人を一人残らず殺せ』と……。
これはフランス・ドイツ・イギリス合作。
アメリカ映画じゃないところがミソかも。
そうそう、フランス軍ではネストール、
ドイツ軍ではフェリックスと呼ばれ
塹壕を自由に渡り歩いていた猫のエピソードが出てくるけど、
これもほんとうにあったことらしいよ」
----へぇ~っ、それは観てみなくっちゃ。
あれっどうしたの?
「しかし、いまの日本にこんな映画作る勇気を持つ人、
果たしているのかなと思ったら暗~い気持ちになっちゃった」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ネコは自由なのニャ」
※いまだからこそ必要だ度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----この映画、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされてるね。
「うん。実にそれにふさわしい作品だったよ。
映画は1914年、
第一次大戦下で実際に起こった出来事を基にしている。
フランス・スコットランド連合軍と、
ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。
戦況は熾烈を極め、死体の数だけが増えていく。
やがて訪れたクリスマスの夜、
ドイツ軍には10万本ものクリスマス・ツリーが届けられ、
スコットランド軍の塹壕群からはバグパイプの音色が聞こえてくる。
そして奇跡は起こった-----(チラシより抄訳)」
----つまり、それがキャッチコピーの
「その聖なる日、銃声が止んだ」。
クリスマス停戦になるわけだね。
「うん。ドイツ軍のオペラ歌手の兵士が
クリスマス・ツリーを手に塹壕から歩み出て、
美しいテノールを響かせるんだ。
バグパイプの伴奏にのせてこだまする
ドイツ軍とスコットランド軍の「聖しこの夜」の合唱。
やがてそれぞれの兵士たちがおずおずと塹壕から現れ、
ついには3ヵ国の中尉たちが集まって、
クリスマス一夜限りの休戦に合意する。
片言の外国語での挨拶、家族の写真の見せあい、
チョコやウィスキーの交換、サッカーの試合…。
そして宗派を超えたミサが行われる。
このシーンは、雪深い背景もあって
幻想的な美しさがあったよ」
----でもそこまで仲よくなっちゃうと、
戦争を再開するのが難しくなりそうだね。
「そこなんだ。
実は、奇跡はさらに続いていく。
ユーモアまじりに語られるそのシーンは、
観る人のお楽しみにして
ここで語るのは止めるけど、
ちょっと驚くような出来事が起こるよ」
----えっ、話してよ。
※じゃあ、ネタバレ注意と言うことで…。
「それは後方からの相手への攻撃を情報として教えあい、
一緒に塹壕を行ったり来たりして被弾を回避すること 。
実はここに<戦争>の持つ本質的<無為性>が語られている。
だれもいない無人の塹壕に炸裂する砲弾。
何やってんだろうって感じだね。
前線にいる個人と個人は仲がいいのに、
後ろにいる権力機構は憎しみあっている」
----ニャるほどね。
「そうそう、キリスト教も
戦争に加担していることが描かれているのも興味深い。
聖書の一節を都合よく引用しながら、
平和よりも「戦い」を勧める司祭。
彼は言う『女子供関係なくドイツ人を一人残らず殺せ』と……。
これはフランス・ドイツ・イギリス合作。
アメリカ映画じゃないところがミソかも。
そうそう、フランス軍ではネストール、
ドイツ軍ではフェリックスと呼ばれ
塹壕を自由に渡り歩いていた猫のエピソードが出てくるけど、
これもほんとうにあったことらしいよ」
----へぇ~っ、それは観てみなくっちゃ。
あれっどうしたの?
「しかし、いまの日本にこんな映画作る勇気を持つ人、
果たしているのかなと思ったら暗~い気持ちになっちゃった」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ネコは自由なのニャ」
※いまだからこそ必要だ度
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この作品、見たくてうずうずしてます。
えいさんの感想からするとやはり良さそうですね。
フランス映画祭で見てきます!
この映画、観るまでは
アリアを戦場で歌うところがクライマックスで
後、すぐ終わるのかなと思っていたのですが、
いやいやどうして。
まだ、そこからいろいろあります。
期待してがっかりはないと思います。
ご覧になったらまたぜひ。
TBさせていただきます。
この映画は日本ではGWに公開予定みたいですね。
久しぶりに映画で泣きました。
コメント&TBありがとうございました。
戦争回避のヒントは「共通体験」とのご指摘、
なるほどと思いました。
また機会があったら覗きにきてください。
歌の力を全面に出した感動作かと思いきや、戦争の本質を鋭く突いていて、色々考えさせられました。
泣けるだけではない、いい作品ですね。
いま、 へー太さんのところにお伺いしてきました。
そこで思い出したのですが、
あのオープニングも凝ってましたね。
英・独・仏の子供がそれぞれ敵についての想いを発表-----。
初め、なにが起こっているのかと思いました。
個人的にはオスカー(外国語映画賞)獲ってほしかったです。
おっしゃるとおり、クライマックスはアリアで終わるのかと思ってましたけど、音楽以上に心に響き渡るものを感じ得た作品でした。
無意味さややるせなさも感じつつも、やはり根底には人を愛する気持ちに国境はないと信じたくなりました。
普通に考えたらアリアがクライマックスに来て大団円。
ところがそうでなく、
心が通じ合えたのに戦いは続く……。
なんともやるせなさがにじみ出た映画でした。
こんな体験したら厭戦感はひとしおですよね。
試写会に当たったので観て来ましたよ。
いやはや。実は、少々のれなかったので、記事も辛口めになってしまいましたが。その辺はお許しを。
個人的には、猫ちゃんのエピソードが気に入ってますが。えいさんの記事を読み、あの部分も実話だと知り、ビックリしてます。
ところで、えいさん。「猫目小僧」って映画はどんな感じなのでしょーか?気になっていたのでHPを覗いたら。うーん、ちょっと興味が失せてしまいましてん。
ぼくがこの作品を観たとき、
隣の人がちらちら携帯メールを確認していて、
本人は隠しながら光が漏れないようにしてはいたのですが、
それでも隣にいると目に入り、
思わず注意してしまいました。
しかもそれが<アリア>のシーンだったので、
ぼくも少しノレなかったです。
なあんて、ノレないの意味が違いますね(笑)。
『猫目小僧』は楳図かずお原作の恐怖マンガの映画化です。
今年は彼の当たり年のようで、
もう一本スゴい作品が待機しています。
しかし彼の世界は実写化が難しいと思いますね。
どよ~ん。
作り手サイドにいる人間としては重く受け止めます。
精々「男たちの大和」ですからねえ。
あれはあれとしても、現在における視点の違いは歴然ですね。
あらら。「どよ~ん」にさせてしまいましたか。
>作り手サイドにいる人間としては重く受け止めます。
以前から、気にはなっていたのですが、
ノラネコさんは
映画作りのどの部分をお仕事にされているのでしょうか?
もちろん、お答えいただかなくてもかまわないのですが、
もしかしてプロデューサーなのかな、
なんても思ったりしています。
本業はデジタルVFXです。
でも元々何でも屋的に仕事してきたんで、企画や制作部、文芸部(アニメのストーリー)の仕事をする事もあります。
まあ特撮屋としては珍しい方だと思います。
今は自分が原作を書いた企画(テレビ向けなんですけど)を動かそうと色々やってますが、中々ね・・・。
まあ実際に企画が実現したら、自分のブログで自作自演で絶賛しようと思ってます(笑
デジタルVFXですか?
花形ではないですか!
ご自分にしかできないお仕事をされているというのは、
とても素敵ですね。
これからもよろしくお願いします。
DVDで観ましたが、イメージではアナが中心みたいに思ってたんですが
そんなことなくて・・・これ劇場で観たら、もっと大泣きしちゃっただろうなぁと。(笑)
泣きポイントは奇跡が起こったとこと、フランス将校の部下の毎日10時に目覚まし鳴らす男の話と
将校とその上官の最後のほうの会話と、
ハーモニカを奪われたドイツ兵たちの歌声と
あぁ、やっぱりアナは印象に残ってない(笑)
僕がこの映画でもっとも印象に残っているのは
戦場を行ったり来たりする猫でした(笑)。