ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『風のファイター』

2006-02-23 20:37:31 | 新作映画
----格闘技の映画が続くね。
これは韓国映画なんだっけ?
「うん。『ゴッドハンド』として知られる大山倍達がモデルの映画」
----どうしてそれを韓国で撮ったの?
「大山倍達は戦時中、
朝鮮半島が日本の統治下にあった時代に、
パイロットになるために密航してきていんだ」

----えっ、日本人じゃなかったんだ。
「そう、ぼくも恥ずかしながら知らなかった。
つのだじろうの『空手バカ一代』読んでたのにね。
彼、大山倍達は日本では極真カラテを起こし、
いまでは全世界120ヵ国、1200万人の修行人口を誇る。
しかし、この映画は彼が世界に進出していく以前、
差別との戦い、孤独な修業、そして道場破りの日々などが描かれる」

----『力道山』を思い出すよね。
「うん。でも彼は監督のヤン・ユノによると、
外国で国賓級のもてなしを受け、勲章をもらいながら、
ついに韓国では暖かく認められることがなかったらしい。
でも彼の遺した業績は
『ワンチャイ』の黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)に匹敵する----
というのが監督の主張なんだ」

----でも映画として見た場合どうなの?
「そうだね。戦後の日本の再現は、
時代考証ばっちりだった『力道山』には劣るかな。
その分、こっちは韓国人の住む場所を
サーカスにするなど意図的に虚構化している。
決闘も真剣を使ったりとか、
創作としか思えない部分が多い。
もちろん映画だからそれはいいんだけどね」

----アクションの方はどうニャの?
「これは驚いたね。
ブルース・リーの香港映画みたいに
ロングに引いてその戦いを見せる。
しかもスタントなし!ワイヤーなし!CGなし!
そのためアクション俳優は全員有段者と言うことらしい」

----まるで『マッハ!』みたいだね。
「(笑)ぼくもそう思った。
そうそう、あの有名な猛牛との対決も出てくる。
あと、これもビックリなのが
国宝、姫路城での対決。
塀を横蹴りにしたり、堀に落ちたり……
『ラストサムライ』でさえ複製のセットだったのに、
よく許可が下りたものと感心。
塀の上に立つ(忍者の末裔・美輪)との対決は
まるで怪獣がにらみ合っているかのようだったよ」

----忍者?急にリアリティなくなったな……。
「だからこの物語はすべてフィクション。
大山倍達がモデルではあるけど、
彼の真実の人生を表現したものではない。
このことを頭に入れておかないと、
とんでもないことになるかもね」

          (byえいwithフォーン)

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