ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『座頭市 THE LAST』

2010-03-22 13:55:46 | 新作映画
----最近、また邦画づいているようだニャあ。
『パレード』『時をかける少女』も話さなかったのに、
なんでまた、この映画を…。
「やはり、これは話題作。
日本映画が生んだヒーロー、
あの座頭市SMAP香取慎吾が演じるわけだから…」

----それって、あまりにもイメージが違う気がするニャあ。
「ぼくも観るまではそう思っていたし、
おそらく、公開されてからもそのことに話題は集中するだろうね。
この映画は、開巻早々、市は
愛する妻・タネ(石原さとみ)を
死闘の巻き添えで失ってしまう」

----えっ、それっていきなりじゃニャい。
フォーンは、その悲劇は最後の最後に起こるのかと…。
「ぼくもこれには意表を突かれた。
さて、それをきっかけに生まれ故郷へ戻る市。
百姓をしながら、人との絆を取り戻していく彼だったが、
そこでは、ロシア(おろしあ)との貿易を
勝手に始めようとしている天道(仲代達矢)なる男が
非道の限りをつくしていた。
もとよりその土地を束ねていた島地(岩城洸一)も
我が身かわいさに見て見ぬふり。
かくして市は、一度は封じ込めた仕込杖を再び手にする…。
まあ、こういうお話だ」

----反町隆史、ARATA、豊原功輔、高岡蒼甫
さらには寺島進、宇梶剛士、柴俊夫
スゴイ顔ぶれがずらり。
だれがどんな役やるの?
「これは言わない方がいいと思う。
特に天道一家はね。
というのも、
『女は強い男が好きだ』とうそぶき、
力づくで女をモノにする男もいれば、
用心棒として欠伸をしながら退屈そうに人を切る男もいる。
果ては、天道の跡取で絵を描くことを趣味にしている男も…。
みんな、そのなり切りぶりは大したもの。
だれがどの役を演じるか、
観て驚いた方がいいと思う。
ただ、仲代達矢の絶品ぶりだけは、
どれだけ口にしても誉めたりないほど。
久しぶりに、その凄味を観た気がする。
いつ、その感情が高ぶり、人を切り捨てるか分からない。
だからこそ、周囲は怯えてしまう。
話が通じない男の恐ろしさを全身で演じている」

----じゃあ。見どころは“悪の競演”ってとこ?
「あとはロケーション。
いま注目の庄内映画村の協力を得て、まずは土壌作りから。
舞台となる大山村を、田んぼから畦道まで作り上げたらしい。
その広さたるや約88ヘクタール=東京ドーム22個分。
映画が本筋に入るや、
その村を悠然とカメラが俯瞰でなめていく」

----ニャるほど、それはスゴイや。
ん?ニャにか大事なことを聞き忘れている。
そうだ。主人公・市のことだ…。
「香取慎吾ね。
冒頭のエピソードでは、あまりにも肌がきれいすぎて、
おいおい大丈夫…。
ところが最後には、しっかりとこの役を自分のものにしていた。
ただ、勝新太郎とは全く違う役作り。
もちろんそれは
坂本順治監督の意図を受けてのものだけど、
さあ、これをどう取るか?
坂本監督ファンにとってはたまらない。
でも勝新ファンの気持ちは複雑……ってところじゃないかな」



     (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「でも、やっぱ若いよニャ」複雑だニャ

※とにかく仲代達矢に尽きる度

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