----いやあ、ついに行ったニャあ。
「はい、ついに行きました(笑)」
----ようやく観れただけに感慨もひとしおってとこ?
「そうだね。3時間超える長さも苦にならなかった」
----なんで、そんなに観たかったの?
これって、昔の『キング・コング』のリメイクでしょ?
「だって、あの『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が
『王の帰還』で頂点を極めた次の作品。
しかも彼が映画を志すきっかけになったのが
オリジナルの『キング・コング』だと聞けば
これは観ないわけにはいかないじゃない」
----『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが
あれで気力を使い果たしたかのように
以後、長い間何も撮ることができなかったのに比べたら、
スゴく精力的だね。
「そうなんだよね。まずそこが驚きだ。
この映画、すでに公開されているし、
オリジナルもあまりにも有名。
ストーリーを語るのは止めにして、
見どころを少しだけ話そうかな」
----でも、それは想像つくニャあ。
オリジナルが作られた頃に比べて特撮技術は発達しているし、
大スペクタクルになっているんでしょ?
「いや、そればかりじゃないんだ。
ワンカットワンカットがすべて無駄がなく
ひと続きの絵画を観ているかのよう。
隅々まで神経の行き届いた丁寧な画作りには
それだけで心揺り動かされる。
しかも映画の根底に流れるのは美女を愛した野獣の悲しみ。
『美女が野獣を殺した』の名セリフは忘れがたい。
もちろん緻密に再現された30年代のニューヨークや
CGによるコングとクリーチャーのバトルは
最大の見ものではあるけれどね」
----美女を愛した野獣かあ…。
「そう。
けっこう泣けるポイントが多いこの作品、
最初にグッとくるのが、
髑髏島でコングが美しい夕景を
彼女アン・ダロウに見せようとするところ。
テクニカラーを思わせる絵画的色調で捉えられた
その雄大な自然もさることながら、
コングの姿があまりにもさみしそう。
そう、この夕景をコングはずっとひとりで見てきたわけだ。
あのシーンでぼくは
手塚治虫の『火の鳥・鳳凰編』の我王を思い出したよ」
----ふうん。この映画って、泣けるんだ。
「うん。
ニューヨークの凍った池で滑る二人も素敵だった。
このシーンはスローモーションで映し出され、
その幸福な時間を観客に引き伸ばして見せることで
情感をより盛り上げる。
しかしピーター・ジャクソンってほんとうに
スローモーションの使い方が巧い。
コングの元から戻ってきたアン・ダロウ。
ところがそこでは船のクルーたちが
コングを捕らえることに余念がない。
そう、彼らはコングで金儲けをしようと
そのことで頭がいっぱいなわけだ。
そしてここでもやはりスローモーションが使われる」
----でもそんなところに使って意味あるの?
「欲にかられた人々を目にしているのは、
命からがら生還を果たしたアン・ダロウ。
彼女の目から見れば、
彼らはすっかり違う人間に変わってしまったようにしか見えない。
そしてそれは
自分とは異なる時間が動いていることにも等しい。
その違和感をビジュアル化するべく、
ピーター・ジャクソンはスローモーションと言う形で
映画の中の時間をいじって見せるわけだ。
ここが強烈に印象に残るのは、
彼女の受難のすべてを手に汗握りながら見守ってきた観客も
またアン・ダロウと同じく
彼らに同じ違和感を感じているからなんだ」
----はあ、分かったような分からないような。
「じゃあ別の見どころを…。
先日話した 『PROMISE』で
暴走する猛牛の大群に驚かされた話をしたけど、
ここでは首長竜を始めとする恐竜がやはり暴走。
ほぼ同じカメラアングルだったあの作品に比べて、
こちらはスリルを盛り上げるべく
めまぐるしくそのポジションを変える。
いやあ、こういう映画を作らせると
やはりハリウッドはたいしたものだね」
(byえいwithフォーン)
※心にしみた度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
「はい、ついに行きました(笑)」
----ようやく観れただけに感慨もひとしおってとこ?
「そうだね。3時間超える長さも苦にならなかった」
----なんで、そんなに観たかったの?
これって、昔の『キング・コング』のリメイクでしょ?
「だって、あの『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が
『王の帰還』で頂点を極めた次の作品。
しかも彼が映画を志すきっかけになったのが
オリジナルの『キング・コング』だと聞けば
これは観ないわけにはいかないじゃない」
----『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが
あれで気力を使い果たしたかのように
以後、長い間何も撮ることができなかったのに比べたら、
スゴく精力的だね。
「そうなんだよね。まずそこが驚きだ。
この映画、すでに公開されているし、
オリジナルもあまりにも有名。
ストーリーを語るのは止めにして、
見どころを少しだけ話そうかな」
----でも、それは想像つくニャあ。
オリジナルが作られた頃に比べて特撮技術は発達しているし、
大スペクタクルになっているんでしょ?
「いや、そればかりじゃないんだ。
ワンカットワンカットがすべて無駄がなく
ひと続きの絵画を観ているかのよう。
隅々まで神経の行き届いた丁寧な画作りには
それだけで心揺り動かされる。
しかも映画の根底に流れるのは美女を愛した野獣の悲しみ。
『美女が野獣を殺した』の名セリフは忘れがたい。
もちろん緻密に再現された30年代のニューヨークや
CGによるコングとクリーチャーのバトルは
最大の見ものではあるけれどね」
----美女を愛した野獣かあ…。
「そう。
けっこう泣けるポイントが多いこの作品、
最初にグッとくるのが、
髑髏島でコングが美しい夕景を
彼女アン・ダロウに見せようとするところ。
テクニカラーを思わせる絵画的色調で捉えられた
その雄大な自然もさることながら、
コングの姿があまりにもさみしそう。
そう、この夕景をコングはずっとひとりで見てきたわけだ。
あのシーンでぼくは
手塚治虫の『火の鳥・鳳凰編』の我王を思い出したよ」
----ふうん。この映画って、泣けるんだ。
「うん。
ニューヨークの凍った池で滑る二人も素敵だった。
このシーンはスローモーションで映し出され、
その幸福な時間を観客に引き伸ばして見せることで
情感をより盛り上げる。
しかしピーター・ジャクソンってほんとうに
スローモーションの使い方が巧い。
コングの元から戻ってきたアン・ダロウ。
ところがそこでは船のクルーたちが
コングを捕らえることに余念がない。
そう、彼らはコングで金儲けをしようと
そのことで頭がいっぱいなわけだ。
そしてここでもやはりスローモーションが使われる」
----でもそんなところに使って意味あるの?
「欲にかられた人々を目にしているのは、
命からがら生還を果たしたアン・ダロウ。
彼女の目から見れば、
彼らはすっかり違う人間に変わってしまったようにしか見えない。
そしてそれは
自分とは異なる時間が動いていることにも等しい。
その違和感をビジュアル化するべく、
ピーター・ジャクソンはスローモーションと言う形で
映画の中の時間をいじって見せるわけだ。
ここが強烈に印象に残るのは、
彼女の受難のすべてを手に汗握りながら見守ってきた観客も
またアン・ダロウと同じく
彼らに同じ違和感を感じているからなんだ」
----はあ、分かったような分からないような。
「じゃあ別の見どころを…。
先日話した 『PROMISE』で
暴走する猛牛の大群に驚かされた話をしたけど、
ここでは首長竜を始めとする恐竜がやはり暴走。
ほぼ同じカメラアングルだったあの作品に比べて、
こちらはスリルを盛り上げるべく
めまぐるしくそのポジションを変える。
いやあ、こういう映画を作らせると
やはりハリウッドはたいしたものだね」
(byえいwithフォーン)
※心にしみた度
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※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
今年もよろしくお願い致します!
予告を観ていたときにもかなり期待していたのですが、この映画ほど期待通りというか、それ以上の満足を与えてくれた映画は他に数えるほどもないくらいに満足致しました☆。
まさにピーター・ジャクソン渾身の作品だと思いました。
映画に対する愛情がこれほど込められている映画も少ないかと・・・・
しかし、ナオミ・ワッツの体当たりの演技にも感服しました
>手塚治虫の『火の鳥・鳳凰編』の我王を思い出したよ」
コレはまた、お懐かしい!子供の頃、本の虫の父が私に勧めた本は芥川龍之介の「クモの糸」と『火の鳥・鳳凰編』(こちらは漫画ですが)でした。(火の鳥シリーズの最高峰らしいですよ)私は「キング・コング」を鑑賞中に思い出さなかったのですが(恥)、改めて『火の鳥』シリーズが読みたくなりました。えいさん、なかなか研ぎ澄まされた感性をお持ちですね。
そう言いながらも、個人的にはYear of the Cat の大ファンだったりします。更新したのですね。フォーンちゃんは男の子?女の子?次のショットを楽しみにしてるのニャ。
リメイク、3時間超えにも関わらず、すばらしい作品でした~
今年も宜しくお願いします
だれもが知っているこの物語を
ここまで堂々とした感動作に仕上げるとは…。
ピーター・ジャクソン、本物ですね。
アン・ダロウがボードビリアンと言う設定も
とてもよかったと思います。
パフォーマンスでコングと親しくなっていく…。
コングと恐竜が対峙するとき、
彼女がコングの方に歩み寄り前に立つところなんて
あまりのかっこよさにゾクゾクときました。
「火の鳥」はどれもすばらしいですが、
この「鳳凰編」はなかでもスケールの大きさで
ずば抜けていました。
あと「未来編」「宇宙編」もおススメ。
「Year of the Cat」は実はアル・スチュワートの
76年のアルバム・タイトルからその名をいただきました。
ジャケットが猫グッズのイラストばかりでできています。
http://alstewartsroom.2.pro.tok2.com/
そうそうフォーンは男の子です。
携帯も変えましたので
頑張って画像アップします。
今年もよろしくお願いします。
この映画、33年版『キング・コング』への
リスペクトが散りばめられていましたね。
「フェイ・レイはクーパーの映画に出ている」みたいなセリフもありました。
やはり映画への愛がある映画は嬉しいです。
そうそうジェイミー・ベルが読んでいる「闇の奥」。
これは『地獄の黙示録』への目配せかも…。
今年もよろしくお願いします。
やっとというか、ついに(笑)ご覧になったんですね~
コングの男ぶりが見事にかっこよく猫の2005年の主演男優賞でした♪
いつも楽しく拝見してます!
本当映画の面白さ満載の作品でした。
感情移入しやすいように撮影のテクニック等は勿論ですが、監督自身の映画への愛着がひしひしと感じられましたし、次世代への映画作りに対する想いもこもってました。
また本年も楽しいレビューを期待しております。どうぞ今後ともよろしくお願いします。
あのコングはアンディ・サーキスが
モーション・キャプチャーでやっていたんですね。
まったく情報を入れずに観たのでびっくりです。
あの氷の上を滑る感動のシーンも
彼のアイデアを発展させたモノらしいですよ。
charlotteさんのテンプレート、
私も以前使っていました。
とても親しみを感じてしまいます。
この映画、テクニック中心に書いてしまいましたが、
charlotteさんのおっしゃるように、
監督の愛情がいっぱいつまった作品だと思います。
そういう映画に出会ったときは
こちらも至上の幸せに包まれます。
今年もよろしくお願いします。