----あれれ、『殺人の告白』始まっちゃったよ。
これ、けっこう気に入っていたんじゃなかったっけ?
「うん。
あの映画は見どころがいっぱいありすぎて、、
逆に喋りにくかったんだ。
物語としてはこう。
1990年、女性ばかりを狙う殺人事件が発生。
刑事チェ・ヒョング(チョン・ジェヒョン)は
犯人を逮捕寸前まで追い詰めるが取り逃がしてしまう。
2005年冬、犯人は捕まらないまま公訴時効後を迎える。
そしてさらに2年後、
イ・ドゥソク(パク・シフ)と名乗る男が、
殺人の仔細を書いた自叙伝
『私が殺人犯だ』を出版する。
“謝罪会見”に現れた彼は、
涼やかなルックス、微笑、そして清潔なスーツ姿で一躍、時の人に。
怒りが収まらないのが刑事チェ・ヒョング。
さらに、ドゥソクの登場に驚いた遺族たちは
彼の殺害を企てる…」
----それって、
もうすぐ公開される日本映画にも
似たような設定があった気が…。
「『二流小説家 シリアリスト』のことだね。
その話は後でまたすることにして、
『殺人の告白』は10人の女性が殺害された未解決事件を基に、
チョン・ビョンギル監督が編み出したストーリー。
原作がない分、物語上の縛りも少なく、
<画>としてのオモシロさが堪能できる。
オープニングのワンシーン、ワンテイクもさることながら、
完全に突き抜けていたのがカ―アクション」
----あれっ。
カ―アクションは
あまり好きではないのでは?
「いやあ、そのはずなんだけどね。
ここでのカーチェイスが
ボンネット上でバトルを繰り広げながら進行するというもの。
もう、あきれるほかなかったね。
フィクションに求められるリアルさなんてまったく気にしていない。
まるで違う次元の映画でも観ているようだったね。
そのようなアクション、あるいはサスペンスを
テンポよく挟みながら、
映画は、思わぬ展開を見せていく。
ところが途中から映画は別の方向へ舵を切る。
それはテレビ局で企画された討論番組。
その生放送中に、なんと
『真犯人は自分だ』と名乗る別の男から電話がかかってくるんだ。
果たして真相は?
ここから映画はミステリーに傾いていく」
----ニャるほど。
一方の『二流小説家』は?
「これはね。
原作がアメリカの
デイヴィッド・ゴードンのミステリー小説。
日本では初となる
“ミステリー賞三冠”に輝いているんだ。
こちらの話はこう。
主人公は売れない小説家・赤羽一兵(上川隆也)。
その彼の元に、
連続殺人犯の死刑囚・呉井大悟(武田真治)から
『告白本を書いてほしい』という依頼が舞い込む。
この仕事は、
売れない小説家にとっては一流として名を売る絶好のチャンス。
そんな淡い期待を抱く赤羽に
呉井はある条件を出す。
それは自分を主人公にした官能小説を書くこと。
そして謀られたかのように、
赤羽が取材した女性たちが
12年前の呉井の事件と
まったく同じ手口で次々と殺されていく」
----あれっ。
それは不可能でしょ。
だって刑務所にいるんだから…。
ということは、呉井は犯人ではない?
「さあ、そこなんだ。
この二本の映画、
“犯人の告白”をキーワードとしながら、
前者はアクション&サスペンス、そしてミステリーへ。
一方、後者は最初からミステリーとして語られていく。
だから愉しみ方が似て非なるものとなる。
『二流小説家』に関して言えば、
見どころは俳優。
意外なことに、上川隆也にとって
これは初の主演映画。
最初の登場シーンなんて
ちょっと見には誰か分からない。
小栗旬かと見間違ったほど。
一方、犯人役の武田真治も、
『羊たちの沈黙』レクター博士とまではいかないけど、
澱の中の殺人者を、狂気を滲ませて演じていた。
ただ、『殺人の告白』のパク・シフを見ちゃうと、
そちらの方がより強烈な印象を残すことは否めない。
これもまた、物語上の必然ではあるけどね」
----はいストップ。
そこまで…。
この手の映画は喋りすぎニャい方がいいのニャ。
「日本観比べるといいのニャ」
※「『殺人の告白』で出てくる連続殺人事件は、
ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』のモチーフとなったことでも知られている度
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※画像はオフィシャル・ダウンロード・サイトより。