ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『輪廻』

2005-10-24 21:14:28 | 新作映画
※カンの鋭い方によってはネタバレにつながる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



「いやあ驚いたね。
“新絶叫クイーン”は優香で決まりだね」

----そんな決めつけして大丈夫?
「だってあの恐怖の表情はスゴいよ。どこで習得したんだろう?」
----(笑)もうそれは分かったから、これどんな映画なの?
監督が清水崇でこのタイトルだとオカルト・ホラーだよね。
「ぼくもそう思っていたんだけど、
そこに異常殺人鬼ホラー、果てはゾンビ・ホラー的な描写まで登場する。
ホラーのてんこ盛り。もうおなかいっぱいって感じだ」

----そんなギャグ的な言い方していいの?
ほんとは怖いんでしょ。怖くてそんな風に言ってるんでしょ(笑)
「そりゃあ、怖いよ。設定からしてね。
昭和45年。群馬県のホテルで大量無差別殺人事件が発生。
法医学教授・大森範久は自らの家族を踏む11人を殺し、
自らも謎の死を遂げてしまう。
35年後、現代。
映画監督の松村郁夫(椎名桔平)は、この猟奇事件の映画化に取り組んでいた。
新人女優の杉浦渚(優香)は、
『記憶』と名付けられたこの映画のオーデョンに行った直後から、
人形を抱えた少女の不気味な幻覚にとらわれる。
渚は見事オーディションに合格するが…」

----分かった。幻覚の少女は自分が演じる役のモデルだったんだ。
「そう、そこまではだれでも分かる。
ところが、映画はこれにもう一つのエピソードが絡み、
思わぬ方向へ進んでゆく」

----ニャんだろう?ドキドキ。
「女子大生の木下弥生(香里奈)は奇妙な夢を見続けていた。
その夢では、子供の頃からいつも赤い屋根のホテルが現れるものの、
彼女の親はそんなところには行ったことがないと言う。
やがて彼女の前に、前世の記憶を持っていると言う
森田由香(松本まりか)という女性が現れる…」

----ちょ、ちょっと待った。松本まりかってどこかで聞いたことが…。
あっ『ノロイ』の主役。確かあそこでも霊感が強いという設定だったよね。
「そう。これで大まかな設定の話は終わり。
この枠組みの中で、いままで僕たちを怖がらせてきた
さまざまなJホラーの手法がこれでもかとばかりに展開する」

----じゃあ、女の人がカクカクしながら迫ってくるとか、
エレベーターの霊とか、目のどアップとかだね。
「いや、まんまそのとおりってわけじゃないよ。
でも清水崇ならではの<入れ子構造の悪夢>や、
<足下から見上げる子供の霊>なんてのは出てくるね。
でも今回の一番の見どころは、その凝った脚本にあると思う。
『呪怨』では時制をバラしていくつかのエピソードを繋いでみせたわけだけど、
この映画では、前世で行われた殺戮、当時の再現撮影、そして蘇り(輪廻)による復讐と、
ひとつの<惨劇>を3つの<恐怖>へと拡大。
やがてそれは衝撃の結末へと収斂。恐怖も結晶化していく」

----えっ、衝撃って?ぼく、結末読めたと思っているんだけど。
「なになに、小さな声で言ってごらん」
----だって、死んだあの人がこの人に生まれ変わって…ぼそぼそぼそ。
「ぜ~んぜん違います。
いやあ、やっぱり分からないんだわ。安心した。
ぼくもこのからくりは見抜けなかったもんね。
でもよくよく考えたら彼の『呪怨』にしても、
彼の恐怖の本質は、
その本人がなにも悪いことをしてもいないのに呪われてしまうところに…。
あっ、これはヒントの出しすぎかな。
そうそう、一つだけクレームを。
劇中、出てくる8ミリ映像がクリアすぎるのはまだしも
ビスタサイズはないでしょ。
かつての8ミリ少年としてはどうしても気になってしまう」

----8ミリも出てくるんだ。どういう風に使われているんだろう?
「それもナイショ」
      (byえいwithフォーン)

※優香スゴい度

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