船窪小屋。
北アルプスの後ろ立山連峰の中ほどにあり、
コマクサの咲き乱れる蓮華岳と
特異な尖峰を持つ烏帽子岳に挟まれた地域。
もっと詳細に言うと、
北は北葛、七倉、
南は不動、南沢に挟まれたところに船窪岳がある。
その山にある山小屋の思い出を
以前にブログに綴った
(昨年の8月26日のブログ参照)ところ、
それを読んで最近山ガールとしても活躍されている
babiさんの山心が刺激されたのでしょう。
この夏単独行で、
ハードなコースを歩き
最終日にこの小屋を訪れたそうです。
写真もいろいろ撮られていて、
その時に写した1枚に
烏帽子岳がありました。
この山には僕も昭和53年と昭和56年に行っており、
56年に撮影した烏帽子の写真が
確かあったはずだと引っ張りだして、
比べてみたら、
ガスの有るのと無いのとの違いはあるけど、
撮影角度はほぼ同じでした。
同じ場所から撮影したものだといわれても、
十分納得できるほど、
山の姿は一緒でしたねえ。
これ。
当たり前だけど、山肌の岩の形もほぼ同じでしたねえ。
31年の時を超えて、
偶然同じ場所に立って撮影したんだねえ。
時空を超えた偶然でした。
で、問題の船窪小屋なんですが、
doironがこの小屋に行ったのは
昭和53年でした。
そう今から34年前。
ブログの中ではヤマモモを漬けたお酒をいただいた
という話を書いていますが、
実はそれはコケモモの間違いでした。
この小屋の先代の主人は、
小屋周辺で採れる様々な山の果実を漬けた
瓶詰のお酒を棚にずらっと並べていたことを、
以前babiさんに話したことがあります。
そんな記憶を持って行かれたのですが
今回のbabiさんの山小屋泊で、
そんなお酒は並んでなく、
ご相伴にあずかることもなかったそうです。
でも、ふと小屋の近くの外の倉庫の周りに目をやると、
乱雑にいくつかの空ビンが転がっており、
それがdoironが以前説明したビンにそっくりだったそうです。
そうですね、多分あの34年前に見ていたビンでしょうねえ。
ここでも時空を超えた経験をしてこられたようです。
doironは、そのときにお酒だけでなく、
野菜のてんぷらもいただきました。
そして今、その小屋は
素材にこだわった野菜のてんぷらなどの
おいしい山小屋料理を出してくれる小屋として評判で、
今や
「天空の山小屋」
として知る人ぞ知る素敵な山小屋
と言われているんです。
ほかにも水場の状況、
小屋周りの光景、
小屋の様子などの報告を
いただけばいただくほど、
過去の記憶の輪郭がくっきりしてくるという、
そんな感覚を味わいました。
babiさん、素敵な報告をありがとうございました。
また、お土産にいただいた
今の山小屋オーナーの奥さんが描いた
切り絵のタオルもありがとうございました。
息子の部屋を改造した
「アトリエ」の壁に貼り付けさせていただきます。
それにしても寒さが時に身に染みる
季節となりました。
今頃あの船窪小屋はきっと、
ダケカンバやナナカマドの紅葉に包まれた、
一段と素敵なたたずまいになっているんでしょうねえ。
きっと、必ずもう一度訪ねてみようと
強く決意したdoironなのでした。