雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

赤い糸の呻き

2012-08-04 22:00:12 | 

西澤保彦著"赤い糸の呻き"を読みました。
それぞれ独立した短編集です。

"お弁当ぐるぐる"
藤川光司が自宅で殺されました。
二年前にリストラされて無職です。
奥さんが働きに出ています。
お昼に食べるお弁当を奥さんが用意しておきます。
お金は渡されていません。
奥さんの料理の腕は最低でとてもまずいです。
近所に息子の家があり昼は奥さんがいます。
蔵には高価な美術品がいっぱいあったといいますが
無くなっています。
息子の家に出入している光司が見られています。

"墓標の庭"
客がこない商売をしようと心霊現象専門の探偵事務所を
開きました。
徳美という女性のお客がやってきました。
物書きで夜庭に幽霊が出るといいます。
しかし夜に張り込んで幽霊がいつも通りかかる人だと
わかります。
徳美の父は亡くなる前に妻を殺して庭に埋めたと
告白します。
警察に連絡して庭を掘ってみると実際に埋められて
いるのが発見されました。
徳美が殺されました。

"カモはネギと鍋のなか"
柚木崎は上級生の美雪に片思いしていました。
美雪から待ち合わせの手紙をもらい指定の場所で
数時間待っていました。
紙飛行機が飛んできて近くのマンションへ行ってみます。
美雪が死んでいるのを見つけます。
人を呼んできて戻ってみるともう一人同じ高校の
昌二が死んでいました。

"対の住処"
刑事の若狭は訪れたマンションで既視感におそわれます。
円谷円という建築家が設計したフラワーポットと呼ばれる
円形の多目的ホールの天華寺会館が見えます。
数年前フラワーポットが見えるマンションでの殺人が
3件あります。
それらに関連があるのではないかと若狭は調べ始めます。
円谷がそれぞれの事件に関係しフラワーポットを見張って
いられる場所を確保しようとしていたのではないかと
考えます。

"赤い糸の呻き"
刑事の智香は仕事で足を怪我して車椅子生活を
しています、
双子の弟の妻の真音が義姉の面倒を見に来ています。
智香は道へ出ようとしていた車で自転車で走ってきた
真音にぶつかった事があります。
その後弟の結婚相手と知りました。
部屋で昔の事件の話を真音にしていました。
結婚式場で指名手配犯を見つけエレベータへ乗りました。
エレベータには8人の人が乗っていました。
結婚式に出席する男女、写真が趣味の老人、犯人、
刑事が2人、花束を抱えた子供、最後に乗り込んで
きたのが制服姿の女子高校生です。
高校生は下へ行こうとして間違って上行きに乗って
しまいました。
地震が起きてエレベータが止まり照明が消えました。
照明がついてみると子供がナイフで殺されていました。
同僚の早瀬はその後事故か自殺かで建物から落ちて
亡くなっています。
真音が推理したのは意外な人物と理由です。
彼女自身がある理由から智美の弟と結婚したのです。

感じの違う話の短編集です。

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