雑記帳

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追憶の夜想曲

2014-06-22 21:09:37 | 

中山千里著"追憶の夜想曲(ノクターン)"を読みました。
"贖罪の奏鳴曲(ソナタ)"の続編です。
御子柴先生、前作で死んだと思ったのですが3ヶ月の
怪我だったんですね。
退院直後にこの事件を他の弁護士より無理やり奪って
弁護することになります。

津田亜季子は夫の伸吾を風呂でかみそりで切り殺し、
血を洗い流しているところへ義父の要蔵が訪れて
警察に通報されました。
伸吾はリストラされた後仕事に就こうとはせず部屋に
閉じこもりパソコンでデイトレーラーをしていました。
素人が成功するわけがなく借金がかさんでいくばかり
でした。
パートで生活を支えている亜希子や娘に暴力を振るいました。
亜季子は職場の男性と交際していて、この男性との
結婚にじゃまな夫を殺したと見なされています。
身勝手な女として一審では12年の判決が出ています。
刑期を不服として控訴しています。
亜季子には美雪12歳と倫子6歳がいます。

検事は岬恭平です。
一度御子柴に敗れていて今回こそはと挑んできます。
義父の要蔵は息子を殺されてたのに亜季子に同情しています。

美雪は食事もほとんどとらずに部屋に閉じこもって
います。
倫子は元気な子で一人で御子柴の事務所へやってきます。
亜季子は弁護士にも隠し事をしています。

亜季子が無実で誰かをかばっているならあの人しか
犯人はいないだろうし原因も想像がつきます。
しかしラストはもっとひねりが効いていてびっくりです。
この結末は幸せなものではありません。
亜季子は真実を誤解していました。
このままではもっと不幸なことになっていたでしょうから
真実を明らかにすることで避けられました。

御子柴はこの裁判で過去の罪を暴かれました。
仕事も築き上げた人脈も失うかもしれません。

仕事をせず家族にDVを振るう男はごく普通にいて
たいしたことないみたいな感じをうける部分があって
ちょっとむかっとします。
身勝手な女という言葉がよく出てきますが警察が
調べた通りの人だったとしても身勝手ってことないと
思います。
身勝手っていうならよほど伸吾の方でしょう。

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