雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

思い出探偵

2014-04-30 21:00:00 | 
著者 : 鏑木蓮
PHP研究所
発売日 : 2009-02-14

鏑木蓮著"思い出探偵"を読みました。
実相浩二郎は刑事でした。
息子が琵琶湖で溺死しました。
自殺とされました。
妻の三千代は悲しみのためアルコール中毒になりました。
自殺に疑いを持っています。
刑事を辞めて思い出をさがす思い出探偵社を始めました。
1件が解決したら次の1件というような形式でなく複数の
依頼が平行して進みます。

ペットの骨を入れたペンダントを落としてしまいました。
さんざん探した末に入った喫茶店に拾いましたと伝言板に
張られているのを見つけます。
その文字は人を惹きつける暖かな文字でした。

工務店の経営を息子にゆずった男性からの依頼です。
岩手県から中学を卒業して集団就職をしました。
定時制高校への通学を約束していたのに行ってみたら
反故にされました。
文句を言って飛び出し入ったバーで女性に会います。
自力で高校へ行きなさいと忠告してくれます。
席をはずしていた間に特殊な折り方の折鶴を置いて
消えてしまいました。

心臓に病気を抱えた老婦人が戦争中に助けてもらった
男性を探しています。
14歳の時に闇市にリヤカーを引いて野菜を持って行き
米などを持って帰りました。
車とすれ違う時にリヤカーが河原へ落ち気がついた時
には進駐軍の男性が側にいました。
少年が彼らを殴りつけてくれました。
彼が落としていったお守りをずっと持っていました。

探偵社で働いている橘佳菜子は10年前にストーカーに
付きまとわれ両親を殺されました。
心に傷をおっています。
車椅子に乗った依頼者が佳菜子が一人の時にやってきます。
佳菜子はその男に拉致されてしまいます。

探偵社は手がかりになる品物から依頼された人物を
探しだします。
無理だと思うようなことも探せるものなんですね。
科学やいろんな知識をもとにして探します。
おもしろかったです。
敗戦直後の話の真実は悲しい話です。
ずっと真実を知らずにいた人たちは美談だと思って
いたはずです。
当事者でも知らなかった真実ってあるのですね。
浩二郎が息子の死の真実を知りたいというのが最初の
願いだったのにその話はあまりにもあっけなくかたず
けられていてこれはないでしょうと感じます。

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