雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

不等辺三角形

2014-11-09 21:00:00 | 

内田康夫著"不等辺三角形"を読みました。
浅見光彦が活躍する1冊です。
舞台は名古屋と松島です。
死体発見場所が名古屋中川区山王の松重閘門のある
運河です。
よく知っている場所が出てきました。
あの建物の名前が松重閘門ということを初めて知りました。
名古屋の富豪の今は使われていない別荘から仙台箪笥が
修理のため松島の箪笥業者のもとへ送られました。
別荘といっても莫大な広さがあります。
陽奇荘という名の別荘が使われていた当時管理をしていた
柏倉という人物が箪笥を送り出した当日に殺されました。
建物の持ち主の正岡家は白壁町の広い敷地に大きな家を
建築して陽奇荘から引っ越しています。
お金持ちですから陽奇荘に価値ある道具や品物を多く
残したまま忘れ去っています。
しかし陽奇荘には品物が持ち出されて何も残っていません。
柏倉は信頼されていた人物ですが彼が品物を持ち出した
のかと疑われます。

光彦は正岡家の当主から事件の解決を依頼されます。
正岡家には若い三人姉妹がいます。
松島まで箪笥を見に行きます。
松島でも箪笥を追ってきた人物が海で死んでいるのが
発見されています。
箪笥の隠し場所から漢詩が発見されます。
それとは別にふたに不等辺三角形うんぬんの文字が
書かれているのが発見されました。

漢詩と不等辺三角形の謎を白壁町の屋敷に泊まり込んで
光彦は調べます。

信頼されていた人々が打ち捨てられた品物を内緒で
売り払うという背信行為をするというの理解できません。
そんな情けない行為になぜ走るか理由がわかりません。

浅見光彦のシリーズには犯人が自殺して事件がうやむやに
なるという結末が多いです。
他の作家さんのものでは絶対犯人は自殺させないで事実を
表に出すんだという姿勢で貫かれているものがあります。
私はうやむやはなんだかすっきりしなくて好きではありません。
うやむやが残された人たちにとって楽に生きていける方法
なんだと言われればそうなのかもしれません。