雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

狸穴あいあい坂

2014-11-14 21:00:00 | 

諸田玲子著"狸穴あいあい坂"を読みました。
読みやすかったです。

結寿は17歳です。
父母と離れて元火付盗賊改の祖父といっしょに麻布狸穴
に住んでいます。

"ムジナのしっぽ"
結寿はムジナを探す八丁堀同心の妻木道三郎と出会います。
積年の恨みを晴らそうとする男を追います。
火付盗賊改と町奉行所は犬猿の仲です。
結寿は妻木にほのかに恋心を抱きます。

"涙雨"
乳母をしていた女が赤ん坊を連れていなくなりました。
女は4回も乳母として働いていました。
4回子供を産んだことがあります。
女は悲しい境遇で生きてきました。
辛さのあまり子供を連れてきてしまいました。

"割れ鍋のふた"
火盗改の同心奥津貞之進に頼まれ貞之進の姉の佐代に
会いにいきました。
佐代は夫とうまくいっていませんでした。
佐代は家にやってきた男に騙されて掛け軸を盗られて
しまいました。
道三郎は詐欺師を追います。
佐代の夫婦は心を打ち明けあって改善されていきます。

"ぐずり心中"
心中したようにみえる男女が見つかります。
しかし植木職の藤吉は殺されたように見えます。
心中したのと殺されたのでは残された家族のこれからに
関わります。
道三郎は真実を追います。

"遠花火"
祖父や、祖父の友人の絵師で俳諧師の宗仙、大家の
傅蔵らが水茶屋の美人の女将のおつぎに興味をもって
います。
西瓜を盗もうとした鳶吉は結寿の家で下働きをすることに
なりました。
鳶吉は昔駆け落ちをして暮らした女と引き離された
ことがあります。

"ミミズかオケラか"
口入屋傅蔵の長男の弥之吉の様子がおかしいです。
女の子が川に落ちて死んでいるのが見つかります。
事故と思われていますが真実を弥之吉は知っています。
結寿が恋している妻木道三郎はうんと年上です。
妻は亡くなり息子の彦太郎がいることを結寿は知ります。

"恋心"
火盗改の同心の早川求馬の妹の鈴江がよく遊びにくる
ようになりました。
鈴江は奥津貞之進が好きで結寿のところへくるように
なったのです。
鈴江は火盗に恨みを持つ男たちにさらわれはずかしめを
うけます。
鈴江は助け出されますが心を閉ざしてしまいます。

"春の兆し"
道三郎は息子の彦太郎を姉夫婦に預けています。
彦太郎を養子に欲しいと強引な申し入れがあり
道三郎は困っています。
鈴江が前向きになり、貞之進との関係が前進します。
町奉行所嫌いの祖父は道三郎を受け入れ取り縄の弟子に
加えます。

全編に結寿と道三郎が登場します。
年が離れた二人ですがいい雰囲気です。