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「みかづき」森 絵都

2016年10月14日 15時46分57秒 | 読書
「みかづき」森 絵都


教育の本質を鋭く問いつつ,ホームドラマ的なエンタテイメント性もあり,楽しくて悲しくて,ためになる小説.
大島吾郎は高校を中退し,まともな職に就くことができないまま,小学校の用務員として雇われ,侘しい独身生活を続けていた.
毎日暇そうにしている吾郎だが,ある時,生徒が,「宿題ができないから教えて!」と言われ,何気なく教えてあげたところ,その子が先生や友達から聞いても理解できなかったのが,吾郎の臨時家庭教師でできるようになった.
そのことが評判になり,私も私もと,次々に宿題を見てほしい子が現れる.
この吾郎さんが後に独立し,塾を立ち上げ,その子供や孫たちも,それぞれの世代で教育に情熱を注いでいく.
まあ,親子三代の「教育系大河小説」みたいな...

いやあ,面白かったです.
頭でっかちな文科省や所詮空の高みからしか生徒を見ていない学校教師とは異なり,地面の上で,困っている子供たちにわかることの喜びを教えるという「教育の原点」を思い出させてくれます.


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