書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「コンラッド・ハーストの正体」ケヴィン ウィグノール著 松本剛史訳

2013年07月06日 13時12分59秒 | 読書
「コンラッド・ハーストの正体」ケヴィン ウィグノール著 松本剛史訳





ストーリーより雰囲気や心理描写で読ませるミステリーですね.
殺人の箇所が,意外なほど淡白に書いてあるのが,逆にショッキングさを際立たせているようです.

たぶん,99.99%くらいの人は生まれてから死ぬまで殺人とは縁のない人生を送るわけですが,主人公コンラッドハーストのように,「戦争」に巻き込まれた人にとっては,人が人を殺すということが日常に組み込まれてしまう.
戦争の悲劇に加え,最愛の彼女を敵の爆撃で失ってしまうという事件が人生を狂わせるきっかけとなる.
そんな生活の中では,全員ではないが,何割かの人は精神の病にかかってしまう.
これは本人のせいではなく,与えられた環境や世の中のせいだということだ.

主人公のコンラッドもその一人.

彼の場合は,その結果,暗殺者という職業に身を置くことで,心の平衡を保とうとした.
本来なら,病院で治療すべきところだ.

その後10年間の殺人者生活を送るが,あるきっかけで自分の仕事が嫌になり,「一般人」に戻る決心をする.

しかし,そのためには彼の正体を知る4人の関係者を始末する必要があった.

というところから,物語が始まるのですが,結構先が読めなくて,最後まで一気に行っちゃいました.

面白かったですね.

結末は賛否両論ありそうかな?

職場のある方の紹介で知った本です.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿