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「サロメ」原田マハ

2017年04月27日 12時39分04秒 | 読書
「サロメ」原田マハ



19世紀末のヨーロッパ。
オスカー・ワイルドによって書かれた戯曲「サロメ」にまつわる、淫靡で不気味な物語。
登場人物はほぼ全て実名で、多くが史実なので、どこからが架空の物語なのか、実に巧みに隠されている。
「サロメ」は、物語もさることながら、その挿し絵が衝撃的なことで有名らしいが、その挿し絵を描いたオーブリー・ビアズリーが重要な役どころとなる。
語り手となるのは、オーブリーの姉で女優のメイベル・ビアズリーである。
メイベルは弟のオーブリーに対して、かなり異常な愛情を抱いており、結構不気味な描写もあり、私のように健全な心の持ち主は、覚悟して読み始めねばならないだろう。
メイベルに限らず、出てくる人物が皆さん、ちょっとオカシイ。
だから、小説になるんだけどね。
オスカー・ワイルドもしかり。

普段まじめで品行方正な人生を送っている人が、たまにちょっとあちらの世界を垣間見たいなと思った時には最適な小説。


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