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「ロスジェネの逆襲」池井戸潤

2014年04月19日 09時48分55秒 | 読書
「ロスジェネの逆襲」池井戸潤



ご存知、半沢直樹シリーズの第3弾。
テレビドラマの半沢直樹は2作分をまとめたものだったので、この小説が、そのままテレビの続きになっている。
東京セントラル証券に出向を命じられた半沢の活躍を描いたものだ。

ここでは、半沢は直接の担当者として奔走するのではなく、参謀あるいはブレーンとして動くので、前2作と比較すると,かなり落ち着いた役柄に見える。
血眼になって走り回るのは、東京セントラル証券のプロパー社員、森山クンだ。
この森山クン、バブルがはじけた後の、就職氷河期経験者だ。
大手を何十社も落とされ、ようやく中堅の東京セントラル証券に入った、いわゆるロスジェネ世代。
彼は、バブル世代には、強烈な反感を抱いている。
バブル世代は、能力もないのに、売り手市場だというだけで、一流企業に入り、一流企業にいるという理由だけで、中小企業を馬鹿にすると思っている。
半沢は、そんな森山を不憫に思うと同時に、森山の潜在能力の高さも買っており、なんとか彼を一人前に育てたいと考える。
そんな折、東京セントラル証券がコンサルティング契約を結ぼうとしていた顧客企業を、親会社の東京中央銀行の証券部門が横取りするという事件が起きる。

半沢としては,これはまさに「倍返し」の材料.

あまり表には出ず,森山君をうまく指導しつつ,東京中央銀行の傍若無人ぶりに対して,胸のすく意趣返しをしてくれる,というお話.

また,M&A(企業買収)の様々なテクニックがご披露されるので,その意味でも勉強にもなる.

ただ,前2作のように,半沢自身が強烈にいじめられるシーンはほとんど無いので,最後の意趣返しのカタルシス感が今ひとつという,「M」の読者がいるかもしれない.

しかし,それにしても面白いですね.
池井戸潤さん.

私としては,下町ロケット,空飛ぶタイヤに続き,3作目です.

前2作分の「半沢直樹」つまり,「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」は読んでません.ドラマで見ただけです.念のため.


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