書く仕事

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「やっぱりミステリーが好き」雨の会

2014年03月11日 21時09分37秒 | 読書
「やっぱりミステリーが好き」雨の会




クオリティの高い8編からなるアンソロジー.

アンソロジーといっても,寄せ集めの感はなく,きちんとしたポリシーのもとに,ミステリーのいろいろなテイストのものを集めている.
と思ったら,若手実力作家が集う〈雨の会〉というのがあって,そこが監修しているらしい.
なるほどね.

私的に気に入った理由として,ブラックなものとか不条理ものがなく,ユーモアに富み,エンディングが明るいか,若しくは,ほろ苦い程度に抑えている点があげられる.
入院中の身として気が滅入らなくて済むので有難い.

ほとんどすべての著者が,江戸川乱歩賞,日本推理作家協会賞等,ミステリ関係の受賞者で,直木賞作家もちらほら混じる.

井上夢人,大沢在昌,折原一,東野圭吾,高橋克彦,,,キラ星のごとく売れっ子作家が並んでいる.

いずれも傑作だが,ちょっと別の意味で印象に残った2編だけ紹介する.

第1編の「書かれなかった手紙」井上夢人と,第3編の「殺人計画」折原一は,どちらも手紙のやり取りの形をとった独立した短編ミステリーだ.

第1編も大変よくできて,あっと思わせるが,第3編を読み始めると,「え?,最初のと似てるなあ」と,必ず読者は思うはず.

しかし,....

この本も病院の図書コーナーで見つけました.

書名の,「やっぱり」が付いているってことは,付いてない「ミステリーが好き」というアンソロジーがこの前に出ているとのこと.

残念ながら,この書架にはなかった.T_T

著者は,上記の他,坂本光一,新津きよみ,矢島誠の計8人