書く仕事

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付和雷同

2011年11月03日 11時03分32秒 | 日記
経済評論家の宋文洲さんのメルマガでの発言が反響を呼んでいるようです.
タイトルは「ジョブズの傲慢」
http://www.soubunshu.com/article/232341167.html

志なかばで非業の死をとげたジョブズ氏への同情やアップル製品の先進性もあって,ジョブズ氏への評価は天井知らずに上がりっぱなし.
そんな世評に待ったをかける「勇気ある」批評というところでしょうか?

私自身も,アップル製品は,iPodもiPadもiPhoneも魅力的(ちゃんと使ったことはないので,あくまで店頭で触った印象ですが...)だと思うし,ジョブズ氏のスピーチも素晴らしいので,概ね世評通りの印象を持っていました.

しかし,この宋さんの「ジョブズの傲慢」を読んで,ふと思い出したことがあります.

ジョブズ氏のスピーチはとっても感動的だけど,マイクロソフトや他のビッグカンパニーに対する痛烈な批評を口にする段は,ちょっと不愉快な印象をもっていたのです.

「それはここで言わなくてもいいだろう」とね.
しかし,一瞬のことなので,すぐに忘れちゃう.僕ってバカね.

で,思い出したことっていうのは,ジョブズ氏が特にやり玉に挙げる,マイクロソフトの「物まね」のことなんです.

コンピュータの基本ソフト(OS)が持つヒューマンインタフェースを現在の形にしたのは,アップルということになっている.

しかし,ジョブズ氏はMACを開発するちょっと前に,米国ゼロックス社のパロアルト研究所を訪問し,資金提供を頼むんですが,その時,当時のゼロックス社にいたアランケイ(人工知能の先駆的学者として有名)が設計した全く新しいパソコンの対人インタフェースを見学しているんです.ジョブズが「これは良い」ってことでMACに採用したのです.
つまり,マウスとビットマップディスプレーを使って,クリック,ダブルクリック,ドラッグなどの基本操作をOSに取り込んだのは,ジョブズのオリジナルじゃなくて,アランケイ先生らなんですよ.

なぜか,私はそのことも忘れていて,この宋さんの文章を読んで思い出した.

今回の件で反省したというか,何度もそういうことがあったにもかかわらず,私自身の傾向として,言えるのがこの言葉,「付和雷同」

マスコミのことを悪く言うくせに,気が付くと雷同してるわけで.
お恥ずかしい限り.

ちなみに,話に出てきた,ゼロックスのパロアルト研究所は今思い返すと,ものすごい成果を出している.

上記の,パソコンの基本ソフトのヒューマンインタフェース以外にも,オブジェクト指向言語という今の,コンピュータプログラミングの主流中の主流になっているパラダイムはここで発案された.
若いプログラマー達が必死で勉強している,C++とかJAVAなどの元になるコンセプトなんですよ.

あと,意外に知られていないのが,「イーサネット」
そう,あのLANケーブルでやり取りされている信号方式は,このゼロックス社のパロアルトで実用化されました.

なかなかすごい研究所ですね.

また,雷同しないうちに,今日はこの辺で.