書く仕事

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「新参者」東野圭吾

2010年01月23日 17時38分54秒 | 読書


裏切らないですね。この作者。

しかし、もしタイトルしか目に入らなかったら、絶対にこの本を手に取ることはなかったと思います。
いわゆる、作者買いです。
遠くから見ると、「東野圭吾」の方が文字が濃くて、よく見える装丁になっている。
タイトルの「新参者」は金色だけど遠くから見ると地味。

図書館で、この本を見かけた時の、私の気持ちの動きを描写するとこんな具合。

<>おっ、東野圭吾の新刊だな。
<>タイトルは?、「新参者」?何この題名?
<>つまんなそうなタイトルだなあ。
<>どうしようかなあ?でも東野圭吾だし、面白いはずだけど。
<>だけど学会原稿の締め切り近いし読めるかなあ?
<>う~ん。
<>来週もう一度来ようか?でも他の人に借りられちゃうかもなあ?
<>どうしよう?

てな感じ
で、逡巡していると、ふと貸出しカウンター受付のバイト君の視線が気になり、えい、借りちゃえ!
、ということで借りてしまったという次第。

だって選択に迷ったら「より前進する方を選べ」というのが私のポリシーです。
->うそつけ、デパートでは、さんざん迷った挙句買わないくせに

そんなこんなで、期待と不安を胸に借りてきた「新参者」

で、感想。
東野圭吾さんの新しい境地を発見。いやあ面白かった。
タイトルからは想像できない、深みを持ったストーリー。

ある殺人事件に関わる、9つのストーリー。
実際に犯人探しをメインに据えているのは9番目の最後のひとつだけで、他の8つは日本橋という江戸情緒を色濃く残した下町の人々の人間模様。
殺人事件を解決する日本橋署の刑事、加賀の活躍がベースですが、彼が推理するのは、犯行のトリックや意外性ではなくて、犯人やその他の容疑者たちがなぜ、そのような行為に至ったのかということ。
事件の背景には、心温まる家族愛、夫婦愛がある。その暖かいものが、ちょっとしたきっかけで壊れてしまう怖さ、あるいは自分の想いを理解してくれないことへの憤り、さらに、私が一番感動したのは、たとえ相手が理解してくれなくても,その相手を身を挺して守ろうとする真実の愛情ですね。

それらを加賀刑事の暖かいまなざしの筆で描いています。

でも単なる人情話じゃあない。

一つ一つのストーリーに細かな伏線がちゃんと張られていて、後で、それらが一本の太い線にまとまるようになっている構成力はさすがに東野作品。

あと、加賀のパートナーを勤めるベテランの刑事・上杉がなぜか、最初からやる気がない。
上杉は被疑者達の表面的な行為しか見ようとしないし、その行為をステレオタイプの善悪や感情で捕らえようとするので、当然解決のための糸口は見逃してしまう。
それを加賀がちゃんとフォローする.
まあ、シャーロック加賀に対する、ワトスン上杉という設定なんだろうと読者は思うわけです。
ところが,...

いえ、やめときましょう、ネタバレは顰蹙の元。

この分だと、当分は東野シリーズですな。

まずは、ご報告まで。

関係修復能力

2010年01月23日 00時53分08秒 | 日記
人間関係は相性が重要。

でも、友達なら選べるけど、仕事ではそうもいかない。
売り言葉に買い言葉、つい喧嘩をしてしまうことはよくある。

喧嘩をしても得することはないとは分かっている。

勝っても負けてもシコリが残ります。

そんな時、なんとかして相手との関係を修復したい、しかし、仲直りのきっかけが掴めない。

皆さん経験がありますよね。

いったん壊れた関係を修復する能力。
これは重要かつ必要です。
これに優れた人は、世の中で、大抵の困難は乗り越えられる。

だいたい、気まずい時って、相手もそう思っているものなのです。

だから、笑顔で接すれば、相手も笑顔で返してくれるものです。

別に謝らなくてもいいんです。

むしろ、謝らないほうが良いかもしれない。
私が悪うございましたと言っては、話がややこしくなる。

どちらが正しいとか、悪いとかじゃないんですから。

白黒つけるんじゃなくて、「意見の違いは置いておいて、仲良くやりましょうよ」というスタンスを示すことが大事なんです。

この「修復能力=笑顔」の能力は、人を数ランク大きな存在に変えてくれます。

実は私、つい最近まで、喧嘩をしないことが大事だと思っていました。
喧嘩した後の気まずさがいやだからです。

でも、喧嘩をしないためには、かなり「我慢」をしなくてならない。

これは、ストレスになります。
むしろ、言うべきことをズバリと言って、
でもその後に、笑顔で関係を修復する方が良いのかなあと思い始めました。

言うべきことは多少感情的になったとしても、ちゃんと言うべきなんです。

自分のためでもあるし、相手のためでもある。

そして、その後に笑顔で修正する。

これが自然な流れの中でできれば、むしろ理想と言って良いのではないでしょうか?