散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

雑司ヶ谷

2016-02-04 | Weblog
ふらっとでかけると、歩き疲れたころ墓地にたどりつくことがありますよね。ありませんか?
ぼくは結構あるんです。どうせ墓地にたどりつくなら、最初からダイレクトに墓地へGOって
大きな霊園で有名な人の墓を見て回ることも、ときどきあります。


雑司ヶ谷霊園にまたやってきた

管理事務所で地図をもらうと、回りきれないぐらいたくさん、りっぱな人たちが眠っている。
まるで宝探しみたいに、地図を頼りに見て歩く。といっても盗掘が目的じゃないです。


永井荷風の墓

『墨東綺譚』とか『つゆのあとさき』とか『断腸亭日乗』とかの作家。いつも現金をたくさん
バッグに詰めて持ち歩いていたようで、アニメ映画の『幻魔大戦』ではカフーという名で
魔物の中ボスにされていた。安らかにお眠りください。


武林無想庵の墓

武林家の墓ではなく武林の墓としか書いてない。そこに何か矜持のようなものを感じる。
山本夏彦の『無想庵物語』のおぼろげな記憶のせいでそう思うのかも。


小泉八雲の墓が中央で、左が妻

小泉セツの墓とあるのが妻の墓。『怪談』の多くはセツが八雲に語って聞かせた話を元に
書かれたとか。ふーん。


泉鏡花の墓

鏡花 泉鏡太郎の墓と書いてある。みんな立派な墓に眠っているなあ。ポカポカ陽気で、
だんだん眠たくなってきた。そういえば鏡花の文体は独特で眠くなるんだなあ。


大川橋蔵の墓

888回続いた『銭形平次』の俳優の墓だけど、ごらんのとおり墓石には南無阿弥陀仏
としか書いてない。そのかわり、左わきの石に……


大川橋蔵とある

棺には平次の十手と投げ銭が納められたとか。そういうの、火葬したとき焼けたのかな。
あの世に持ってってもらうには、焼いてから入れてもダメだろうから。


サトウハチローの墓

誰かさんが、誰かさんが、誰かさんが、みつけた~♪ 小さい秋、小さい秋、小さい秋、
みつけた~♪ のサトウハチロー。他に 「うれしいひなまつり」 「かわいいかくれんぼ」
「リンゴの唄」なども作詞した。赤いリンゴにくちびる寄せて~♪


いずみたくの墓の隣に楽譜の碑

見上げてごらん夜の星を~♪ と刻んである。「世界は二人のために」「手のひらを太陽に」
も今泉隆雄 (いずみたく) が作曲した。二人のため~世界はあるの~♪


ひときわめだつ

日本の女医、第1号は埼玉出身のこの人で、荻野吟子という名前。まだ女性が学問するのを
好ましく思わない人が多くて、ずいぶんツラい目にあったらしい。生きていくのは大変だけど、
死んでチャラだから、めでたしめでたし。 (そういう話じゃない)


なかなか立派な墓石が並んでる

真ん中は実家の墓で、右が荻野吟子の墓。左のは墓じゃなくて石像だった。花が絶えない。
日本の女医1号は尊敬されてるんだなあ。ちなみに、女医2号も埼玉から出たというから、
埼玉の人は立派だ。お墓は東京にあるし。


金田一京助の墓

国語辞典の人ですね。アイヌ語の研究とかも。『八つ墓村』とか『悪魔が来たりて笛を吹く』
に出てくる探偵じゃないほう。探偵は耕助だから。


ケーベル先生の墓

夏目漱石の書いた「ケーベル先生」を読んだことがある。その人の墓がこれか。外国人教師
として来日したロシア人で、横浜で死んで雑司ヶ谷に眠ってる。漱石の墓もちょっと先にあり、
そっちのほうへ歩いていくと……


いいカメラで写真を撮ってる人が

でかいなあ、夏目漱石の墓。どう考えても、生前の言動を見ると、こんな立派な墓に入って
迷惑してるにちがいない。


ありえないでかさ

家なんか小さかったのに墓でかい。さて、夏目漱石に優るとも劣らない人気の墓がここには
あって、たぶん霊園で唯一、案内表示が堂々と出てる


鬼あざみの入口 (特別あつかい)

江戸時代の後期に活躍した大盗賊、鬼あざみ清吉というのが眠ってる。墓石を削り取ると
ご利益があるというので、受験生が合格祈願に削り取っていく。


削り取られてる…


鬼あざみ……

だんだんお墓にも飽きてきたので、ジョン万次郎の墓だけ最後に見て帰る。中濱万次郎、
アメリカでジョンと呼ばれてジョン万次郎。


なかなか趣のある墓ストーン

正五位とか贈られて、その記念碑が墓石の隣に建っている。墓石よりも記念碑のほうが
大きい。よくあることだけど、こんな感じ。


女医1号の像もこれ的なもの?

おかげで探しやすくていい。霊園を歩くといつも思うのは、墓石の向こうにそびえたつ
ビルがお墓みたいだなってこと。


墓石とビルの見分けがつかない


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