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歩くことが唯一の趣味ですから。

チベット

2019-05-10 | Weblog
チベットの人はニンニクを生で食べるそうです。食卓に箸休めとして置いてありました。一昨年、
インド側のチベット文化圏であるラダックに行ったとき、みんながニンニクを生で食べていたのか
どうか、思い出すことができません。


ダライ・ラマは生で食べるかな?

日本のお寺では酒とか香りの強い食べ物は禁じられているから、生のニンニクなどもってのほか
ですけど、同じ仏教徒でもチベットの人はニンニクも生で食べるそうだし、ついこのあいだまでは
お寺で生の肉を味つけもせず食べていたというから、所変われば品代わるです。ちなみに肉とは
ヤクの肉。あとはハダカムギを粉にして炒めたのと、バター茶が栄養源。あかりもヤクのバターに
灯した燭が頼りだったそうです。だからいまも、お寺に入るとバターくさい。


どのお寺も建物内は撮影禁止だった

フリー・チベットといわれるインド側のラダックでは写真OKの場合が多かったのに、中国側の
チベットは堂内の写真NG。信仰の問題というより、管理している中国共産党の利益のためと
いう感じでした。(写真集を売るため)


チベットは中国共産党の支配下

そもそも漢民族のガイドつき団体ツアーでないとチベットに入れないと聞いています。日本語が
達者で人当たりのいいガイドの説明はわかりやすいけど、ふだん聞いているチベットの歴史とは
ちょっとちがう。だけど、中国政府の解釈どおり観光客に説明しなかったらガイドさん投獄される
そうだから、自由のない国は大変です。


スローガンには自由って書いてあるんだけど……

どこの国でもスローガンには現実と反対のことが書かれるものです。日本の場合どうか考えれば
わかりやすいですよね。短い旅行のあいだも町ですごく強権的だなと思うような出来事が多くて、
ラダックとずいぶん差がありました。あそこも紛争地帯だから軍隊はいるんだけど、警察や公安や
特警や何や中華人民共和国のチベット自治区はやたら警邏の人が多い。人が余ってるのかなと
つい思ってしまいます。


70周年に、60周年に、50周年……周年ばやり

どうやら建国して70周年、人民解放軍が人海戦術でチベット占領して60周年、チベット自治区が
できて50周年ということみたいです。ダライ・ラマを国外に追い出したのは60年も昔なんですね。
30年前にノーベル平和賞がダライ・ラマに与えられましたが、中国共産党は欧米の陰謀ぐらいに
受け止めているようです。しかし解放と称する虐殺への牽制もあったかと。


それにしても国じゅう真っ赤なスローガンだらけ

Twitterも使えない、Facebookも使えない、LINEも使えない、Gmailも届かない……おかげさまで
旅行中はデジタルデトックスになりました。自由な情報を遮断して、大雑把なスローガンを掲げる
ことには、それなりの意味があるんだと列車に乗ったら3時間ぐらいで実感しました。


列車も長いし警備に関わる人数もまた多いこと

乾燥した高地で酸素も薄いのにどこまで行っても土木工事に従事する人の姿が車窓から見えます。
広い国土をすべて北京の時刻で動かして時差を設けていなので、チベット自治区だと夜9時ごろまで
明るいから、工事もそれぐらいまで続けています。この自治区だけで面積は日本の4倍ぐらいあって、
人をたばねて一斉に開発するには情報を遮断して一つの大義で動かさないとムリです。社会主義は
スローガン自体は正義のかたまりだから、現実に目隠しをして人を駆り立てるのに打ってつけ。


田舎へ行くほどスローガンで駆り立てねばならぬ

Twitterも、Facebookも、LINEも、Gmailも使われちゃ困るわけです。日本人がブログに勝手なことを
書くのはともかく、中華人民にSNSなどで拡散されちゃ嫌なわけです。ラサからシガチェに、シガチェ
からラサに列車で3時間ずつ揺られるあいだ、ずっとそんなことを考えてるか寝てました。


ダライ・ラマの宮殿はラダックの寺院によく似てる

あるじがいなくなって60年、荒廃したポタラ宮を中国政府がきらびやかに修復して観光収入を得る
装置にしています。観光客が殺到して、見学に時間制限があり、写真撮影NG(撮る時間もない)
とは正直いって不満です。フリー・チベットの側にやはり魅力を感じてしまう。


時計回りに巡礼する人たちには信仰の対象

かつてダライ・ラマが寝起きしたポタラ宮で、いま寝起きしてるのは管理のための消防・軍人ばかり。
その周囲を時計回りにぐるぐる回って、五体投地しても意味があるかどうか疑問を感じてしまいます。
建物に聖性があるわけじゃないと思ったら意味のない行為だけど、自然崇拝の名残りで丘そのもの
に宗教を認めるなら意味あるのかも。ライバルのパンチェン・ラマのタルシンポ寺にしてもそうだし、
少なくとも政府の資本で修復された宮殿や寺院を礼拝していれば暴動は抑制されそう。


死んだら鳥葬されて天に昇るのが一番の幸せ

鳥葬される死体は、きれいに切り刻まれて、ハダカムギをヤクのバターで炒めた主食と混ぜ合わせ
鳥葬台に乗せられるそうです。ハゲタカが飛んできて、すっかり食べてくれるまで遺族は帰宅しない。
それなりの費用がかかるのか、貧しい人の死体は水葬で川の魚に食べてもらう。だからチベット人、
近くの川でとった魚は食べないとか。伝染病で死んだ人は火葬され、犯罪者が死んだら土葬される
から、夫婦げんかで罵り合うとき「お前なんか死んで土葬されろ!」というそうです。




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