散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

鹿苑寺金閣

2011-08-28 | Weblog
うちの小学生が夏休みの自由課題とやらで、金閣寺のことを調べたり、金閣寺のプラモデルを
作ったりしている(上の写真)ので、それなら本物を見せようと思って連れていった。


金閣寺が見えてきた

「鹿苑寺 通称 金閣寺」と、わざわざ門に掲げてある。お寺のいいぶんによると、お釈迦様のお骨
(仏舎利)を祀った舎利殿「金閣」が特に有名なため金閣寺と呼ばれているが、正しくは鹿苑寺。
「ろくおんじ」って読むみたい。


2011年夏の金閣(左)と、2009年冬の金閣(右)

……ちょっと縮んだ? そんなわけないか。室町幕府の三代将軍・足利義満が皇室を乗っ取ろうと
本気で考えて、権力の象徴として作ったのが金閣だということまでは、さすがに小学生では調べが
及ばないようだけど、そこは黙って見せておく。


横から見た金閣と、裏から見た金閣

1階は寝殿造り風で公家の象徴、2階は武家造りで武家の象徴、3階は禅宗様の仏殿風で
「究竟頂」と呼ばれ、出家した義満の象徴。つまり「公家よりも武家よりもオレが究極にエライ」
ことを表わす建築で、ご丁寧に屋根には聖天子の光臨を示す鳳凰まで飾られている。


遠くで眺める金閣

「出る杭は打たれる」のが日本の恐ろしさ、皇室の乗っ取りが完成する一歩手前でちょうどよく
(たぶん暗殺で)義満が急死して、贈られた法号が「鹿苑院殿」だから鹿苑寺。さぞかし無念で
あったろう。そのへん小学生には黙ってるつもりだったけど、少し洩らしたかも。


義満公お茶の水

驚いたことに、見物客の半分以上が中国人だった。ど派手なキンキラキンの世界遺産にまつわる
皇室と武家のドロドロした確執の凄まじさ、わかるかな? わかんねぇだろうなぁ……。京都って
そういう怖いところだらけ。ちなみに小学生は「金閣寺ファンになった」そう。


方丈が特別公開されていたから見学する

金閣を眺めるために作られたといってもいい、四畳半の建物。そして庭。やがて訪れる人が
増えると、四畳半の一間じゃ足りなくなって、六部屋もある立派な建物になってしまった。


カメラに収まらない

庭に大きめの松を植えて、わざわざ遠近感を錯覚するようにしてあり、松越しに眺める金閣が
遠くにあるように見せる工夫がしてある(とボランティアの人が説明してくれた)。


その眺めがこちら

手前に手洗い用の水が張ってあるが、微妙に届きそうで届かない。実は手を洗う水と見せかけて
本当は月を映して眺めるためのもの(とボランティアの人が説明してくれた)。


じかに見ると体に障るから

「陸舟の松」といって、義満が盆栽で愛でた松が600年で大きく育ち、舟のかたちになっていると。
枯山水の庭は日本海を表わし、その向こうは明。さらに向こうの金閣は天竺のヒマラヤを表わし、
金閣の2階と3階の金箔は夕陽に映えるヒマラヤを表現している(とボランティアの人は語った)。


陸舟の松

「昔から日本は外国と戦争すると貧しくなる。貿易すると豊かになる。足利義満は貿易で儲けて
金閣を建てた。税金じゃないんですよ。だから恨まれなかったし、いくさで火矢を放たれることが
なかったから、京のお寺がみんな焼けても金閣は残った」(ボランティアの人の説明)

それなのに昭和25年に僧が放火して焼けてしまった。諸行無常。


菩提樹

小学生を連れてるから、ボランティアの人がサービスでいろいろ教えてくれる。菩提樹の実が
葉っぱの真ん中に実る、という衝撃の事実を明かした上に、こっそり葉っぱを1枚くれたり。
(勝手にとっちゃいけないんだろうけど、くれるならもらおう)


こういうふうに実がなる!

金閣寺なんてベタな観光地だと思って、中学生か高校生ぐらいから長らく関心ゼロだったけど、
いろいろ興味深いことあるね。


菩 提 樹 は な ぜ 、葉 っ ぱ の 真 ん 中 に 実 が な る の ?
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