薔薇に
そろそろ五月の薔薇が待ち遠しい季節だ。この画像も椿さんの絵。かんたんに言うなら、マニエリスムの薔薇だ。
このごろ集中的に山口椿さんの穏やかでスタンダードな画像をアップし続けている。
『海の器』を書いている頃も、そのあとも、このパートナーであり師匠であったひとは、口癖のように言っていた。
「技芸のなかに、自分のよきものが表現されるまでには、そりゃあ、長い鍛錬がいるんだ」
仕上げた絵や小説、楽曲について、ときどき褒めてもらって、それがとてもうれしかったことを、処女作を眺めながら思い出す。
その局面を思い返せば、じつに透明な時間を過ごしてきたものだった。