雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

未来4(759)月号

2015-04-16 16:34:02 | Weblog


 つつまれてありたしただただ山ふかく密林深く狭霧に濡れて

 ひとつまみ冷えし土くれ染みて知る霧氷しずるる北上山地

 どうするも北上山地白白と谷川流る川葬なきや                          田江岑子



 骨の白、ユトリロの白おもふまで鈴懸の木は冬日にしづか

 いつしらに身にあるものはやはらかく球なす冬の寄生木に似て

 ゆるやかに冬のひかりの下りくる踊り場はいまひとときの瀞

 その端を引かばほどけむ仮名文字の日記(にき)のうちより逃がす蜻蛉               岩岡詩帆



 ひとりなりあかねさす昼ぬばたまの夜その空間に雪は降りゐつ

 樹はそこにそこに立ちゐてこの地球の秘めたる力吸ひあげてをり                  後藤雪乃





 いつもランダムに好みの歌を掲載させていただいている。

 こうして眺めてみると、自分の心象に近い、スタティック、幻想的な風情の方が多くなる。色彩もどうも、白、ばっかりだ。

 単純に色だけで言うなら、特に嫌いな色はない。ただ、うたうときにその色を選ぶ情感が歌柄に現われ、それで、白い歌が多くなるのだろう。



 そしてまた、いいな、と感じても、このブログへの掲載をご遠慮する方もたくさんいらっしゃる。
コメント
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