「民意とは一体何ぞや?」と、思うことがある。日頃、何気なく使っているが、抽象的で、都合良く使い分けられる。
小沢議員に対して、検察審査会は、1回目11人全員、2回目11人中8人の委員が「起訴相当」に賛成した。1、2回目でメンバーが異なるので、合計22人中19人が起訴すべきと判断したことになる。数字的には、まさに「民意の具現化」である。
それでもなお、私には割り切れないものがある。のどの奥に魚の小骨が引っ掛かっているようで、釈然としないものの正体は、多分、己の生きざまであり価値観のようでもある。
しかし、確立した制度の前では、個人の思いは無力だ。今後の裁判手続きを注視したいが、起訴から判決までに相当長期間を要するはずだ。早くても、判決が出るのは次回衆議院選挙前後になるだろう。
それまで、刑事被告人として小沢議員がどういった政治活動をするのかも気掛かりだ。「民意」に対して、今日にも本人が考え方を言明する見込みだ。たった一人の政治家の存亡に振り回される国会も奇異に感じる。それ以上に、難問が山積している政権運営の混迷が危惧される。