集中豪雨の注意報に耳も貸さず、6月29日から二泊三日の旅に出た最大の理由は、「飾り山笠」の初日見たさだった。7月1日から14日まで、博多市内の随所で「飾り山笠」が公開される。
山笠には、色々な様式や系統があり、運行形態によっても呼称が異なる。15日の追い山でフィナーレを迎えるまで、博多の街は祭り一色に活気づく。 駅の案内所で入手した地図を頼りに汗びっしょりになりながら、「飾り山笠」をさがし歩いた。
地理不案内なよそ者には、祭り好きな博多っ子は心強いサポーターになる。地図を示して尋ねると、快く応じて貰えた。なかには、仕事の手を止めて、わざわざ山笠の場所まで道案内してくれるおじさんまで。飾り山笠、舁(か)き山笠、曳き山笠等の違いや、楽しみ方まで教えてもらった。その生き生きとした表情に、心底、祭りが好きなのだなぁと感じ入った。
日本全国に伝統的な祭りは数多いが、いずれもその地域の風土と歴史が育んだ文化の集大成であり、誇りだ。外国文化受容に柔軟なのも良いが、日本固有の伝統文化を守り育てて行く大切さを再認識した旅だった。