6月30日、遅めの朝食をとり、西鉄柳川駅から福岡天神行きの電車に乗った。二日市駅で乗り換えると二つ目が終点大宰府駅だ。駅前から天満宮へと続く参道は、平日にも拘わらず観光客で賑わっていたが、5年前と異なる異様な印象を受けた。
土産物屋の軒先に掲げられたサムライ・ブルーのフラッグのせいではない。原色に近い色とりどりのシャツを着た集団がやたらと目につく。 しかも、くわえタバコで闊歩し、あたり憚ることなく大声で呼び合い、店先で写真を撮りまくるので、道隅を遠慮しながら歩いた。
言葉は聞き取れなかったが、その幾つかの集団は、参道から境内まで途切れることが無かった。
行き交う人の9割近くがアジア系の外国人に思え、あたかも中国にいるかのような錯覚を覚えた。
息苦しさを感じ、足早に駅に引き返したら、さきの喧騒が嘘のように静かでほっとした。外国からの観光客受入れに熱心になるのは結構だが、観光地の良さを失わないように願っている。