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時悠人chosan流処世術

★憂国のこころ

2008-04-19 09:57:50 | 日記・エッセイ・コラム

 朝、民放テレビ番組で大阪府知事が打ち出した1,100億円削減試案に対する府下市町村長との対話会の模様が報じられた。「血も涙もない改革案だ」「即時白紙撤回せよ」「府民の目線に立って考えよ」と批判が噴出し、橋本知事が涙声で協力を訴える一幕もあった。

 提出された施策を批判するのはた易い。だが、批判だけで問題が解決する筈もない。夕張市のモンスター版が大阪府だ。大ナタをふるって財政再建を進めようとする憂国の士に対する支持者が本当にいないのだろうか。善良な府民は、それなりの痛みを覚悟のはず。総論では合意形成は容易だが、各論になると利益相反する者は反対する。橋本知事が具体的な施策を提案したのだから、真摯に受け止め真剣に検討すべきだ。

 大阪府が抱える問題は他自治体にも共通で、国全体が抱える問題と本質的には同根だ。肥大化した行政組織が不正・無駄遣いの温床に堕落したもの。今までにも改革派と評された首長が出ているが、どうして全国的な広がりを見せないのだろうか。地方の独自性を主張し、分権を訴えたいのであれば、率先して範を示すべきはず。だが、範を示した前長野県知事は国からの補助金を大幅に削減されたし、前山口市長は基地問題に異議を唱えて50数億円を棒に振った。

 敗戦の痛みに耐え、復興・高度経済成長を支える痛みに耐え、老いて年金と保険の痛みに耐えている人達に、今後さらにいま以上の痛みを与えることが見えているこの国の構造を変える特効薬は無いのだろうか?同じ愚を何度も繰り返してほしくないと祈っている。