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時悠人chosan流処世術

★敬老⇒軽老?

2008-04-18 10:17:10 | 日記・エッセイ・コラム

 スタートして間もない長寿医療制度を見直すとか廃止すべきとか紛糾している。日本の皆保険・皆年金制度は、世界にも誇るべきものと思うだけに、運用面で不手際があるのが残念だ。

 そもそも、皆保険制度は全国民の相互扶助の精神が根底に流れており、農耕民族の最大の美点ともいえる。全員が応分の負担をすることで共同体の秩序が守られる。それなら、なぜ最初は75歳以上の老人をことさらに負担軽減したのかとの疑問が生じ、老人健康保険の沿革を調べてみた。

 老人健康保険制度は昭和58年に誕生し、最初は70歳以上を対象としたがその後、いろいろな改正が実施されている。詳細なデータは別として、昭和58年と言えば日本人の平均寿命は73歳で全人口に占める割合が数パーセント。いわば、70歳以上の老人は極めて少なく、保険料の軽減特権を与えても全体への影響度が小さかったのだ。

 現在では、世界一の長寿国になり、同時に少子化が進展すれば、自ずと財源が厳しくなるのは自明の理。希少なるがゆえに「敬老」なので、余りあれば「軽老」となるのも必然。この際、老人自身が甘えを捨てよう。ちなみに、自治体が行う長寿高齢者への祝い金や記念品贈呈を廃止するだけで、どれだけの経費が不要となるか。膨張した国全体のサイズを縮小する努力は政府だけの問題ではなかろう。