実に面白い。舞台となるのはイギリスにある“イギリス初の高級リタイアメント・ビレッジ”というクーパーズ・チェイスという高齢者施設。そこにはいくつもの棟があり、そこに高齢者が暮らす。2ベッドルームの部屋とか、ルーフバルコニーのある部屋、プールやローンボウリング場などもある。元は修道院で修道女が暮らしていた。今も礼拝堂と修道女たちの墓所が残る。高齢者たちのさまざまなサークルがあり、そのひとつが「木曜殺人クラブ」。元警部のペニーとその友人のエリザベスが始めた過去の事件を解き明かすというサークル。新たに加わった元看護士のジョイスは夫を亡くし、それでも買い物好きで、好奇心旺盛。労働運動の闘士ロニー、精神科医のイブラヒムといった面々。そして地元の警察のクリス主任警部にドナ巡査。個性豊かな面々がそろい、ジョイスの日記、第三者の視点、入り混じりながら物語が進む。実に面白い。イギリスユーモア小説かというような面白さに推理のプロットもこれまた複雑で面白い。新人の作品だというから恐れ入る。☆☆☆☆☆。続編もあり。
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