カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『謀略法廷』上・下 ジョン・グリシャム 新潮文庫

2009-10-17 00:27:36 | 洋物
 「グリシャム久々の本格リーガル・サスペンス!」という惹句が帯(昔、腰巻と言って面白半分という雑誌で腰巻大賞ってやってましたよね)に踊る。舞台はミシシッピ州。そこのとある町には化学工場が。そこが汚染の垂れ流しで地下水脈が汚染し、癌の大量発生をまねく。企業を訴える民事訴訟、損害賠償とアメリカお得意の懲罰的賠償金。夫婦の法廷弁護士がすべてを投げ打って裁判に取り組み、ついに勝訴を勝ち取った。そこからいよいよ物語である。企業側は州の最高裁へ上訴をする。勝つにはどうするか。ミシシッピでは州の最高裁裁判官も選挙で選ばれるという。大企業は金で裁判官を送り込む戦略へ。これでもかという戦いに。その一方でこれに対抗するのが、法廷弁護士達。彼らは大企業から守るという旗印だが、一方で、巨額な懲罰的賠償や、それ以前での巨額の和解金をとりつけることで大金を目指す。いろいろな意味で、民主主義というものの裏のアメリカの不思議な歪みが延々と語られる。情報というのを知るには面白いが、小説として読む楽しみはどこにあるのかという気がして、☆☆ほ。ちょっと残念。


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