順番が後先になってしまったが、デイヴィッド・L・ロビンズの日本初登場作品。舞台は第二次世界大戦のスターリングラード。アメリカでロシア人の両親のもとで生れたターニャは、祖母をアメリカに連れに来て、結局パルチザンに身を投じる。シベリアのタイガで狩猟をしていたワシーリイ・ザイツェフは海軍の事務兵から狙撃兵となり、才能を開花、「兎」の名で知られる。相棒は「熊」。二人は狙撃兵養成を行うことになる。膠着した戦線でスナイパーが活躍する。ドイツはドイツ国内で狙撃学校の校長を務めていたトルヴァルト大佐を「兎」と対決させるために差し向ける。その側にいることになったのが、情報隊に属するニッキ伍長。史実に基づきながら、そこにスーパースナイパーの対決を描き、さらに戦争の実態を抉り出していく。単なる対決物語でないことは、物語の終幕の長さで分かる。これは大したものだと思わせる作品。☆☆☆☆ほ。
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