カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『ゲートハウス』上下 ネルソン・デミル 講談社文庫

2012-05-22 23:40:51 | 洋物
 『ゴールド・コースト』の続編。弁護士のジョン・サッター。その妻スーザンはゴール・コーストの大富豪の一家スタンホープ家の長女。前作ではスタンホープ家の隣に越してきたマフィアのボスとスーザンが浮気をし、スーザンがボスであるフランクを撃ち殺した。それから10年。ゲートハウスとは、大邸宅の門脇に建てられた家。スタンホープ家の最後の召使であった夫婦が終身居住権を得ていた。夫は死に、その妻エセルの最後が近づき、スーザンと離婚しロンドンにいたジョンがエセルの遺言執行人としての役割を果たすために戻ってきた。かつてのフランクの屋敷は、政府に差し押さえられた後に、分割した分譲地に。(それでも一区画はかなりの大きさのようだが)。スタンホープ家の邸宅はイラン人が買い取っていた。そのゲストハウス、これもかなりの大きさだが、にスーザンが住む。かつてのフランクの家の一部に、フランクの息子アンソニーが住んでいた。ジョンはスーザンと復縁することに。アンソニーはスーザンに復讐を誓う。そんな中で物語は進むのだが、アメリカの上流階級の世界というのはこういうものかと、興味深い。その思考パターン、人との接し方、いろいろと実に不思議な世界。ジョンの軽妙な調子に少々呆れもするが、終盤にぐっと緊迫感。多少、「それは無いだろう」というものもあるが、終盤の追い込みで途中までの長い長い道のりも由ということか。☆☆☆ほ。


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