カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

カタカナミステリー大全

2008-12-13 23:41:57 | 番外
カタカナミステリー大全と称してますが、和物も結構多いです。おまけにミステリー以外も入っています。
もともと、同じ本を買わないようにと始めたのですが、このブログの中に、何故か同じ内容が入っていることもあるのでして、いやはや、何のためか。
個人的な趣味の☆の数ですので、あまり参考にならないかと思いますが、☆☆☆☆以上は、読んでみて損はないんじゃないかと思います。 亭主ケイハク。

『風の歌を聴け』村上春樹 講談社文庫

2008-12-13 00:31:54 | 和物
 空港の本屋で『1973年のピンボール』を見つけた時から、この本を読むのは必然だった。次に飛行機に乗った時、伊丹空港からバスで京都に行き、最初に入った本屋で買った。巻末に、1979年5月とあった。30年と5ヶ月と半月前。最初に読んだのが文庫本だったから、この時読んだわけじゃない。それでも、同僚の女性が、この頃はまだ生れて半年で、はいはいしていたということに気がついたりすると、まいったなぁって気分になる。
 「僕」は鼠の友達で、ジェイズ・バーに通う。沢山ビールを飲み、煙草を吸い、右手の指が4本しかない女の子と知り合い、おまけに彼女は双子の片割れ。鼠は本を読まない筈だったのに、本を書こうとしており、やっぱりビールを飲み、ジェイズ・バーに通う。
 「僕」の車には、何故か牛の絵が描いてあり、それは前の持ち主が描いたらしい。それでも「僕」は大学で動物について学び、沢山の犬猫を解剖し、牛の胃に入っていた草を持っている。
 村上春樹という人は、やっぱり凄いと思う。とてもシンプルに、とても深遠な世界を描き、ぐいぐい読ませて、何が分かったんだろう。うん、純文学っていうのはこういうもんだ。☆☆☆☆☆。