カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『アキハバラ@DEEP』 石田衣良 文春文庫

2006-10-22 00:52:55 | 和物
 『池袋ウエストゲートパーク』の石田衣良、今まで読んだことがなかった。『アキハバラ@…』の評判が良さそうなので読んでみた。面白い。吃音のぺージ、不潔恐怖症で女性恐怖症のボックス、突発性癲癇で固まってしまうダイス。秋葉原のアキバらしい三人のオタク。この三人がWEB上でユイという女性によってさらなる仲間と巡り合う。コスプレ喫茶の格闘系美少女アキラ、アルビノのハッカーのイズム、引きこもり10年のダルマが加わり彼らを父たち、母と呼ぶ者の語りで物語は進む。ファッションは10年遅れながら、世界に誇るアキバを舞台に、何かをしようからそれぞれの特技をもった彼らが新しい検索エンジンの開発に挑んだ。そこに一人のIT長者がやってくる。悪玉だけど、キャラがある。さらに伏線として様々な登場人物がそれぞれの存在感とともに現れ、要所要所で顔を出す。とてもテンポ良く、読ませる、読ませる。何だか洋物ミステリーのような完成度と勝手に思っていたら、文庫の解説に似たようなことがあった。思うことは同じかも。☆☆☆☆☆。そしてとても映像的な作品なので、映画も面白いかも。尺の問題があるかもね。