ホテルは部屋もよく、夕食後はのんびり自給自足のテレビを見たりしていた。
11時半近くなり、二人で大浴場へ。
入り口のところで、救急車はまだか、と走る従業員と遭遇。
こいけが、ずんずん男湯へ入っていき、僕もびびりながら続いた。
脱衣所で寝かされている高齢の男性。
湯舟で沈んでいるところを他の客達に引き上げられたようで、顔は土気色、すでにAEDは付けてあったが、誰もついてなくて、「蘇生を続けて下さい」と、繰り返しテープが流れていた。
こいけが電気ショックのスイッチを押すも、すでに作動済みなのか、なぜか作動せず。(だったそうだ)
こいけは救急救命講習の修了者。
二人で交互に心圧迫をしていたが変化なし、僕は見よう見まねだ。
救急隊到着。
一緒にストレッチャーのあるロビーまで担架で運んで、僕らはそこで終了。
部屋に帰っても、ドキドキして、2時過ぎまでこいけとあーだこーだと反省会。
今度二人でAEDや心肺蘇生の講習を受けてみようと話し合った。
こいけは災害救急ボランティアの認定も受けてるのだが、あのような場面は初めてで、かなりうろたえたそうだ。
その方は、残念ながらその後お亡くなりになったそうだ。
最近、動くと、知らないで済んだはずの様々な人の死に出会うことが多いような気がする。
これも必要な学びなのだろうか。
夕方は授業なので、一休みして帰ります。
もう一度あのお風呂に入って来られるかは目下思案中。
でも・・・夕食時に楽しく飲んで盛り上がっていた彼らのグループを、僕はたまたま見ていた。
ある意味幸せな亡くなり方だったのではないか、ともこいけと話し合っている。