気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

サンタのブーツ 俵万智

2006-01-26 22:39:50 | つれづれ
「おかあさんきょうはぼーるがつめたいね」小さいおまえの手が触る秋

子の友のママが私の友となる粘土で作るサンタのブーツ

本名とペンネーム並ぶ投稿歌ほぼ100%本名がよし

「おかあさんはおとな?」とふいに聞かれおりたぶんおおむねそうだと思う

木枯らしに桜木は揺れ見たくないけれど知りたいおまえの最期

(俵万智 サンタのブーツ 短歌研究2月号)

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俵万智さんのお子さんは、2歳らしい。必死で母親をしてたころなら、共感する歌がある。まっすぐな歌なので、本当のことと思ってしまう。
二首目。ママ友という言葉を聞いたことがあるが、そのことだろう。一首の中に人間関係がうまく収まっている。わが子の幼稚園での親同士のつきあいが、私は苦手だったが、万智さんはのびのびと善良な人なので、ここで友達が出来るのだろう。
三首目の「ほぼ100%」四首目の「ふいに」「たぶんおおむね」・・・使いにくくなっている言葉を大胆に使っている。
私はペンネームを使いはじめてから、歌を作るのも現実を生きるのも楽になったのだが、人それぞれということか・・・
五首目。ここで不覚にも涙がにじんでしまった。

新しき名前得しより新しきひと生(よ)はじまる歌が生まれる
(近藤かすみ)