気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

蜜柑

2006-01-06 21:56:35 | おいしい歌
秋の夜の十指のめぐり香はみちて剥かるる南紀みかんがひとつ

ひらかれて蜜柑のふさの十あまり夜のわがまへに甘く匂へる

この夜の蜜柑一顆のあかるさはしんしんわれを落ちてゆきたり

(春畑茜 しろたへ 短歌人1月号)

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春畑茜さんの歌は、どこに載っていても、はるはたカラーがあって安心して読める。秋の夜に蜜柑を食べましたよ・・・それだけのことを必ず詩にしてくれるという信頼を持てる。

ここ数日持って考えていた短歌人3月号の詠草を、原稿用紙に清書してコピーして投函。助詞の「の」「は」を入れるべきかどうか、歌の順番はどうか、考え出すとキリがない。とにかく〆切に間に合わせることが大事だ。手紙にくっついて、ポストの口から付いて行きたい気持ちになったが、思い煩いはここまでと投函してしまう。また、次に考えなければならないこともある。

蜜柑の筋を丁寧にとる男だね 結婚前に祖母は言ひをり
(近藤かすみ)