気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

旅客機

2006-01-10 22:38:04 | つれづれ
目に見えぬ無数の脚が空中にもつれつつ旅客機が離陸せり
(塚本邦雄 日本人霊歌)

牛の肉おなかいっぱい詰め込んで海原をゆく船に手を振る
(斉藤斎藤 渡辺のわたし ブックパーク)

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日本人霊歌を読みすすむ。それで思い出したのが、斉藤斎藤のこの歌。
歌の構造としては似ている。旅客機、船を外から見ているという点。

飛行機は苦手だ。おととし、台湾から帰りの飛行機が揺れて、ものすごくこわかった。あのとき、斜め前に座っていたのは吉岡生夫さんで、平然として歌集を読みつづけておられた。私は、恐ろしさのあまり隣の久保寛容さんにしゃべり続けたのだった。

地獄へと堕つればもろとも右前に「辞世の風景」吉岡生夫
(近藤かすみ)