気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2006-01-09 21:18:16 | 朝日歌壇
箸裂けば杉のかおりのかすかなり大食堂にふるさとの在り
(東京都 民辻善史郎)

電飾の庭木二本を光らせて隣家の若き家族はしずか
(岡山市 岡田ゆり)

拾われて老女を数年楽しませ施設入居でまた野良犬に
(岸和田市 久吉英子)

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一首目。作者のふるさとは杉のかおりのする山の地だろうか。大食堂で割り箸を割ったときに、ふと匂った杉にふるさとを思った一首。
二首目。このごろ、クリスマス前になると普通の家に電飾を施してあるのを見かける。「浮かれ電飾」という言葉もあるらしく、近所で競って飾りつけをする地域もあると聞く。まだ若い家族だから、家もこじんまりしていて庭木の飾りもつつましい。その静さ、控えめさに好感を持った。
三首目。野良犬から拾われて飼犬になり、また飼い主の事情で野良犬になる運命を歌っている。その背後の飼い主の事情もほの見える。

朝日歌壇のコメント、やはり習慣になって読んで書いてしまう。
月曜日は、お決まりになっているから、ブログのねた探しが楽という気持ちもある。やはり続けたい。

マイホーム(中は見えない)暖かさ競ひかがやく「浮かれ電飾」
(近藤かすみ)