団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

海外邦人保護統計

2012年01月12日 | Weblog

 以前マレーシアで日本人女性が死刑の判決を受けたと新聞で知った。元看護師の37歳の女性は、ドバイとクアラルンプールを5回往復していた。不審に思った空港係官が彼女の荷物を調べた。覚せい剤が見つかった。女性は、ただ友人に預かっただけで自分は無罪だと主張している。その後女性がどうなったかの報道はない。

日本人の国民性を解き明かすひとつのカギがある。私は海外の刑務所に収監されている日本人が非常に少ないことに注目する。日本人が内向的で、海外にあまり出ていないというのも原因のひとつに間違いない。もちろん現在、日本国内の刑務所は、どこもまんぱいで、民間に刑務所の運営を委託する動きまである。外国人の収監服役者も増加の一途をたどっている。ところが海外で罪を犯し、其の地の警察に逮捕され、その国の法律で裁かれ、刑に服する日本人は、極端に少ない。日本が大いに誇ってよいことである。

日本の在外大使館や領事館の仕事で邦人保護は最も大切な任務だ。もしその国で在留日本人が何らかの罪の容疑をかけられ、その国の法律で裁かれることになれば、大使館は情報収集をして可能な限りの援助をすることになる。外務省は世界中にある公館を通じて、毎年その統計を集計発表している。日本のマスコミは、その発表を分析して記事にすることはほとんどない。残念だ。

去年6月22日に外務省は、2010年海外邦人保護統計を発表した。それによると海外で逮捕され外国の司法当局で裁きを受けた事件の数は、529である。内訳は、「出入国・査証関係犯罪」(102件、110人)、「道路交通法違反」(44件、44人)、「傷害・暴行」(70件、74人)、「麻薬」(64件、75人)、「詐欺・同未遂」(37件、45人)などであった。統計は少し古いが2008年、日本国内で犯罪を犯し逮捕され裁判で有罪になった中国人が2764人(凶悪犯罪42人)ブラジル人818人(56人)韓国人705人(29人)となる。日本一国でこの数字である。他の国々での犯罪統計を加えればその数は、日本人の529人よりずっと多くなる。私がこの統計こそ日本人を特徴づけると分析する理由である。

3.11の大震災の被災者が略奪することもなく整然として助け合い、再生に立ち向かう姿は、世界を仰天させ、多くの国家やマスコミから賞賛された。と言っても決して犯罪がゼロではない。犯罪にはしる者もいるが、その数は非常に低い。この日本人の特性が、海外での犯罪統計にはっきり表れている。国民は、国内外で、これだけの結果をだしている。一方このところのオウム真理教元幹部平田信容疑者の警察署への自首に対する対応、2名の台湾人女子留学生殺人事件の容疑者の台湾人男子留学生の任意同行途中での自殺、広島刑務所からの中国人服役者脱走事件と、警察や刑務所の不手際が目立つ。官憲は、これだけ法を遵守して真面目に生活している日本国民を失望させないよう、不安にさせないようにして欲しい。どんなに望んでも、これほどおとなしく勤勉で納税義務を果たし犯罪に無縁な国民を多く有する国家は、世界中探してもそうはない。にもかかわらず、これだけの国民を有する日本国を導く政治は、現在国民を不安のどん底に放置している。1000兆円を超える累積債務、この期に及んでの増税志向、年金に関わる犯罪的不手際不祥事の連続。これではジェームス・スキナー著『略奪国家 あなたの貯金が盗まれている』(フォレスト出版 1400円)が描く日本は後4年で破綻にまっしぐらである。

日本人の国民性から一番似合う日本国の姿は、借金ゼロの安全で平和な国という称号だと私は思う。個人の犯罪は、裁かれるが、国家が裁かれることはない。なぜなら国家は、我々国民一人ひとりの統合された幻影だからである。凹むな日本。その気になれば、まだまだやり直せる。知恵出し、汗出し、口出そう。

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