団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

外国人労働者の受け入れ拡大

2018年10月25日 | Weblog

 友人からメールが届いた。「…フィリピンの介護士さんはボランティアの団体から頼まれました。楽しくBBQして、ケーキ食べて、たくさんお喋りしました。思っていたよりもずっと前から介護は日本に入っていたようです。将来的には香港シンガポール等と同じように家庭で外国人介護もあるようになると思います。ただし日本が経済的に行き詰まらなければですが。今でも地域の方達の事を考えて市役所と外国人のお手伝いさんなり、介護の話をしています。残念ながら意識がそこまでいってないのが実情です。問題はいくつかありますが、住宅問題です。メイドさんの部屋がなければ無理ですものね。…」

 友人はグループホームを経営していて、地域の民生委員でもある。私は以前から万が一長生きして介護を受けなければ生活できない事態になったらフィリピンの看護士か介護士の世話になりたいと思っていた。友人がフィリピン人の介護士を家に招くと聞いたのでどうしたらフィリピン人の介護士を雇うことができるのかを尋ねるメールを送った返事だった。

 日本政府は入管難民法を今度の国会で改訂して外国人労働者を受け入れを拡大したいと表明した。長期展望を持たない政府の付け焼き刃的な政策転換である。日本人の多くは、外国人を自分の生活圏に受け入れることができないと私は思っている。最近出版された星野ルネ著『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版定価1000円+税)を読めば私が言わんとすることが理解されるはずである。

 私は外国人が日本へ働きに来ること自体に反対しない。しかし日本という国で生活するのは、どうしても日本語という超えるに超えられない壁がある。肌の色、宗教、文化の違いがあっても言葉の壁がなくなれば、事はずっと緩和される。いきなり来日して働いても、差別や暴言にさらされるだけである。日本政府は、ただ労働年齢に達した労働者を受け入れようとしている。

  ではどうしたら良いのか。長野オリンピックで実施された『一校一国運動』を応用展開するのだ。言語習得の再適齢期は12歳前後と言われている。日本の中学校と高校それぞれで最低一人ので留学生を受け入れる。各学校がくじ引きで受け入れ先の国を決める。特に高校では農業科や機械科などの実業高校に日本で働きたい外国の若者を数多く受け入れる。現在地方の多くの学校は、過疎化と少子化で存続を危ぶまれている。私はカナダの高校へ留学経験がある。3カ月で生活に不自由しない英語を身に着けた。私の娘は8歳でアメリカの小学校に転校して半年で英語を不自由なく話せた。まず言葉ありき。言葉は、多くの外国人労働者を受け入れ後の問題解決のカギとなる。

  そもそも外国人労働者の受け入れをしなければならなくなったのは、国の少子化対策の失態である。日本が目指すべきは、あらゆる領域において国民の生活を現在の国会議員の処遇並みにすることである。ところが一足早くその恩恵にどっぷりつかってしまった議員たちは、議員に投票した選挙民の生活を自分たちと同じであると思い込んでいるかのような行動をとっている。日本の人口が増えていれば、外国人労働者の受け入れを拡大する必要はなかった。何事も後手後手。

  まず気を落ち着かせて、1年後2年後5年後10年後を見据えることではないだろうか。法律を変えるのは、その後でもよいのでは。外国人労働者受け入れ拡大問題に関して“急いては事を仕損じる”を諌言させて頂きたい。


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