団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

満塁逆転ホームランと高校野球の楽しみ

2018年08月16日 | Weblog

  高校野球が面白い。まず知らない選手がほとんどである。100回大会を記念して出場校は、56校。私が応援するのは私立対公立なら迷いなく公立。普通高校対商業高校、工業高校、農業高校なら商業高校、工業高校、農業高校。大都市の高校と地方校なら地方校。大学付属高校対付属でない高校なら付属でない高校。プロのスカウトが注目している有名選手がいる高校対無名集団高校なら無名集団高校を応援する。初出場高校対常連出場高校なら初出場高校。私は長野県出身だが今回の出場校の佐久長聖高校を応援する気にはなれなかった。なぜならベンチ入りした18名のうち県外生が12名県内出身者は6名だけ。これでは県代表というよりは、この学校の知名度を全国に知らしめるためだけの出場である。それでも私は日本各地出身の選手が甲子園出場をかけて、日本中の高校から可能性を求めて日本各地に散らばることは、東京や大都市への集中を防ぐ一対策になっていると評価する。

 毎年のことだが、選手の苗字で珍しいのを書き留めている。鳴門高校の塩唐松選手。横浜高校の長南選手。常葉菊川高校の漢人選手。花巻東高校の上戸鎖選手。日南学園の年見口選手。鳥取城北高校の忍海部選手。広陵高校の鉤流選手。白山高校の小古選手。創成館高校の七俵選手。耳が悪いのでアナウンサーが選手名を言ってもまず聞き取れない。漢字だけノートに書いて調べる。苗字の読み方を知って驚き、へーこんな読み方するんだと感動しきり。

  塩唐松(シオカラマツ)長南(チョウナン)漢人(カンド)上戸鎖(カミトクサリ)年見口(トシミグチ)忍海部((オシカイベ)鉤流(ツリュウ)小古(コフル)七俵(シチヒョウ)

  特に長南選手はアナウンサーがチョウナンと発するたびにどうしても“長男”と聞き取り混乱した。耳が悪くなってきたので音から勝手に想像しては、失敗する。それも高校野球のテレビ観戦の楽しみである。苗字もだが名前も珍しいものが多いがメモする気にはなれない。

 もう一つの楽しみは、高校野球は最後の最後まで勝敗がわからない面白さである。同点での9回裏のサヨナラ試合。大差で負けていた高校が9回裏ツーアウトからの大逆転劇。先日の星稜高校対済美高校の試合は、全国高校野球甲子園大会で球史に残る劇的な幕切れとなった。観ていてこれほど面白かった試合はない。8回7対6を9番正吉選手のスリーランホームランで逆転。また星稜に同点にされ延長戦に突入。13回裏11対9で満塁。1番矢野選手がサヨナラ満塁ホームラン。これほど応援していて興奮した試合はない。もうだめだ。何と無様なと散々言いたい放題の罵詈雑言を浴びせ、最後の最後に相手チームがグーの音も出ないほどの大曇天返し。高校野球には“事実は小説より奇なり”そのままの世界がある。

 選手にも国際結婚による子弟がだんだん増えてきていて、それも夢あることだ。特にアメリカだけでなくアフリカやアジアの血をひく選手の活躍が私を喜ばせる。野球がまだ普及していない国から来た親の子が日本で生まれ、野球を選び活躍する。古い日本の考え方を変える良い傾向がうまれていることを歓迎したい。

 大会運営にはいろいろ注文をつけたいが高校野球と言う一分野においては成功した事例である。願いは、女子レスリングやボクシングやアメフトなどのパワハラ問題や不祥事が起きないことを願う。猛暑の中、汗を流して野球をする選手、応援する応援団、ためらうことなくエアコンを効かして観戦する老人を奮い立たせてくれる。これぞ日本の夏の風物詩である。


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