団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

猿、猿、猿 出てくる出てくる山の猿

2016年07月27日 | Weblog

 25日月曜日妻を駅に送ってブログを仕上げるために書斎に戻った。昨日からパソコンの一台が外部とつながらなくなった。ブログを投稿する日だった。急遽別のパソコンを使って何とかいつもの時間に投稿できた。こんな日のためにパソコンを2台持っていてよかった。いつもトラブルがあると修理依頼している『パソコン119番』に電話するにはまだ早すぎる。8時半になったらかけることにした。

 書斎を出て台所へ行きコーヒーメーカーの電源を入れた。台所は北側に面している。窓の外を何かが横切った。最近植木屋さんが植栽の手入れに月一回は来る。予告を忘れて、時に小心者の私は急に現れる職人さんにギョッとする。でもまだ7時ちょっと過ぎだ。こんなに早く植木屋さんであるはずがない。コーヒーカップ片手に居間へ移動。居間の北側は大きなガラス戸4枚で外が良く見える。ガラス戸に寄りかかるように猿がいた。そこは他の猿が一匹。集合住宅の北側には高さ20メートルを超すセコイアが建物全体を隠すように植えられている。そのセコイアの葉が茂る枝が揺れた。3匹の若猿がターザンのように枝から枝へ飛び移っている。そしてあっという間に猿は消えた。ああよかった、と安堵した。

 残ったコーヒーを持って書斎に戻った。ダメなパソコン、時間が経つと使えることもあるので電源を入れた。『パソコン119番』へ電話する前に直ればいいのだが・・・。書斎の前には何か動くと強力なライトが点く防犯装置がある。相当な明るさが数十秒間点灯。ギョッ。書斎から外はよく見えない。居間へ。北側より南側のガラス戸の方が大きい。

 ベランダの柵の上に猿が。でかい。ボス猿か。ボス猿がガラス戸越しにチラッと私を見る。もしかしたら威嚇するために牙をむきだし跳びかかるかも。しかしボス猿は「ふん」というように顔の向きを変えた。無視された。

 集合住宅の南側は竹林をコの字型に崖が囲んでいる。竹林の下は駐車場になっている。竹林とベランダの間は梁以外は空間で下の駐車場が見える。西側の崖から猿が出てくる出てくる。ボス猿を囲むように竹林のヘリや梁、ボス猿の脇へと猿、猿、猿。子猿を抱きかかえる母猿が6匹。これだけで12匹。若猿が7匹。ボスを加えれば20匹。まるで猿の集会のようだ。柔らかな陽射しに全部の猿がリラックスモード。毛づくろいを始めたり、仰向けになって日光浴。ガラス戸の内側の私の存在を完全無視。無視されることは人間にとって最も心が傷つく行為だと読んだことがある。真実だと思う。

 時間だけが過ぎる。パソコンはつながらない。仕方なくカメラで写真を撮ることにした。妻にこの様子を話しても私の文章力では到底表現できない。一枚の写真の方がずっと説得力があるに決まっている。10枚以上撮った。一時間以上我が家の前は猿に占領された。じっくり私は猿たちの生態を観察できた。無視された分、自然な状態を観察できたと負け惜しむ。

 猿は植木屋さんの仕事が始まるとそそくさと移動して行った。なんだか寂しくなった。『パソコン119番』に電話する前に市役所に猿の情報を教えてもらおうと電話した。係の女性は一言「わかりません」 パソコンは10分でプロが直してくれた。


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