団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

インフルエンザ、秋風邪

2014年11月05日 | Weblog

  先週の木曜日妻が熱を出した。結婚して22年妻が病気で寝込んだのは2回だけだ。一方夫の私はいくつもの持病を抱え老化も進んでいる。常日頃、自分は健康であると自慢する妻が咳き込んだり頻繁に洟をかむ。使ったティッシュが山になる。私は嫌な予感を持った。もしかしたらインフルエンザ。医者の不養生。妻は毎日電車で通勤して不特定多数の人たちと車内に閉じ込められる。病院では多くの患者と接している。妻が勤めに出ている間、私は独居老人なので他人との接触は、買い物で外に出た時以外ない。新聞やテレビのニュースではエボラ出血熱の報道があってもインフルエンザが流行っているとの報道はまだない。私たち夫婦が先陣をきるのか。不安な妄想が頭を駆け巡った。妻は薬を服用して早めにベッドに入った。私は妻に背中を向け、呼吸を浅くして寝た。

 金曜日の朝、目覚めと同時に私は喉に異常を感じた。体がだるい。あちこち関節が痛い。うつった。インフルエンザの予防接種は11月6日に予約してある。ワクチンがあって誰でも接種を受けられることはありがたい。60歳以上で受けられる肺炎球菌のワクチンも日本人の平均寿命に貢献していると聞いている。私もすでに接種を受けてある。インフルエンザの接種は申し込んだらすぐ受けられると思ったが、住む町では65歳以上の老人に補助金を出す都合上日にちを決めてまとめた人数にして接種しているらしい。まだ予防接種を受けてないので、もしインフルエンザだったらと不安だった。妻を駅に送った。イソジンでうがいを念入りにしてベッドに戻った。風邪で熱があっても妻は出勤した。私は自分で自分を病気にするのが得意である。持病の糖尿病のせいで免疫力が低いのは事実である。しかし何か感染症や食中毒などのニュースに素直に反応してしまう。病は気から、というが私の場合、病はニュースからのようである。

 三連休の11月1,2,3日だったが妻は土曜日出勤があったので2,3日だけの休みだった。妻の強い意志が風邪を封じ込めたらしく熱は下がり咳だけになった。私は鼻水をたらし喉の不快感、体のだるさ、関節の痛みを訴え続けていた。結局連休はほとんだ家の中で過ごした。私は何としても6日のインフルエンザの予防接種を受けたい。体調を整えて、当日体温が平熱でないと接種してもらえない。前回インフルエンザに罹った時は二週間床に伏した。高熱、頭痛、咳、だるさ、食欲減退、喉の痛み、関節の痛み、鼻水に苦しんだ。できればインフルエンザ感染は御免こうむりたい。

 11月末には8年連続して応募している文学賞の締め切りがくる。書いて訴えたいことはハッキリしているが、文章にそれが表せない。まだ3分の2しか書いてない。書いては読み、書き直す。毎日悶々とパソコンに向かう。ああだこうだと自分に都合のいい言い訳をつくっては、小学生だった時と同じように先延ばし作戦を計っている。

  小学校から夏休みの宿題日記の先送りサボリの常習犯だった。中学校では試験のずいぶん前から綿密な学習予定表をつくっては、毎日「明日から始めるぞ。だから今日は最後だ。思い切り遊ぼう」と逃げた。試験前日にきまって「今回の試験は、計画を実施できずに不本意ながら大した準備をするこもなく受験するが、次回には必ずやこの不名誉を挽回して好成績をあげる」と固く自分に誓って早めに床に就いた。成績は毎回如実に私の実行力のなさを反映した。

 そんな私の救いは、鈍才ゆえの粘りである。ある人は私が柳のような人間だと評した。私は自分がダメ人間と知っているから諦めない。倒れても吹き飛ばされても馬鹿にされても立ち上がる。だからインフルエンザにも負けたくない。今の私の目標は6日にインフルエンザの予防接種を受けて、月末までに小説を書き上げ提出することだ。こうして恒例行事を一つひとつこなして1年また1年と過ぎてゆく。


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